※3Z設定

















だりぃ、そう言ってここ最近毎日彼は屋上にサボりにくる、毎日サボるなんて不良なのだろうか。

「怠いねぇ」

不良なのだろうかとか言っている私も毎日屋上でサボっている。
ちなみにどっちが先に屋上でサボっているかと言ったら私だ、入学式からずっとサボっているから。
まあそんなことはどうでもよくて、今日も私は眠くなって目を閉じる。
ぽかぽか、というよりぽやぽや、という方がなんとなくしっくりくるような陽気ですぐ熟睡できそうだったのに突然彼が私に声をかけるから私は目が覚めてしまった。
何か用かと聞けば彼は静かにたかすぎだ、と言った。

「屋上は普通これくらいの高さじゃないかな、高すぎではないよ」

私がそう言うと彼の頭のねじ外れたのか笑い出した、怖い、超怖い。

「名前だ」
「生枝?」
「ハッ」

やばいなにこの子全然意味分からない、生枝ってなに、生の枝?枝に生も茹でもないよね。

「名前、俺の」
「ナマエ、オレノ…」
「お前頭大丈夫か?」

その言葉そっくりそのまま金属バットで打ち返します、とは言わず考える。
ナマエ、オレノ、ナマエ、オレノ、うーん。

「ああ、キミ高杉くんなのか?」

そう言えば高杉くんは満足そうに頷いた、なにこの子カワイイ。
そっか、高杉くん、高杉くんねぇ。

「キミが噂の高杉くんだったのかあ」
「は?」

噂について高杉くんが問うので私は素直に噂を話した、噂というか一方的な愚痴みたいなのを聞かされていただけだが。

「小さくて馬鹿で小さくて意外と強いけどやっぱり小さくてあほで無能で小さい高杉くん」
「…」
「あれ?銀八にそう聞いたんだけど」
「殺す!!」

高杉くんはなんだか怒って屋上から飛び出していった。

「あ、あと算盤好き、だっけ?」

どうでもいいか。