跡部くんってすごいよね、勉強できて、テニスできて、かっこよくて、お金持ちで、跡部くんって完璧だよね。
私の友達括弧あまり隠れていない自称隠れ跡部ファン括弧閉じるがそう言った。
私がいやいや、ないわ、そう笑って友達と別れた、何故別れるかというと友達は帰宅部で私はテニス部マネージャーだからだ。
部室に入ると跡部が真剣な表情でパソコンを見つめていた。

「跡部なにやってんの?」
「なっ、なんでもねえ!」

パソコンを隠す跡部に私は思い当たることを言ってみる。

「口笛の吹き方検索してたの?」
「!」

わかりやすい男だ、私がくすくす笑うと跡部は指パッチンはできるんだ!と指をパッチンパッチン鳴らす、うっさい!と怒鳴ればまるで母親に怒られた子供のように泣きそうな顔して着替えはじめた。
私がため息をついてパソコンを消す、やっぱり口笛の吹き方だった、今日のメニューを跡部に聞こうと振り向けば跡部がボタン外すのに苦戦していた。

「…っ」

なんかイライラしたのか跡部はもうボタンを弾け飛ばそうとしたのか服をぐいぐい左右に引っ張りだした。

「あー、もうだめだから、ほら」

私がボタンを外すと跡部はありがとうと素直にお礼を言った、本当にみんなの前とは全然違うキャラなんだよなあ。
ボタンを外し終わると跡部はせっせっとジャージに着替え出した、私はメニューを聞いてから部室をでる、みんなに伝えようとテニスコートに行こうとしたら部室のドアがばーんと開いて跡部がいきなり指パッチンしてそこから花がでてきた、手品でよくある感じだ。
突然こんな手品をやられて私はびっくりして声がでなかった。
私が何も言わないのをなんだか感動して言葉がでないみたいに勘違いした跡部が次々と手品をやっていく、最終的に鳩をだした、どこに仕込んだんだ。
そう思ってたら鳩につつかれて鳩と戦っている。

「…頭大丈夫?」
「ああ、多少痛むがな、あいつらのくちばし意外と鋭いな」
「いや、鳩につつかれた的な意味じゃなくて…てかなんで手品?」
「みんなも指パッチンに飽きてきている、新たな俺を見せてやろうと日々練習を重ねてきたんだ」
「ねえ、一言いい?」
「ああ、感想を聞かせてほしい」
「テニスしろ」

私がそう言った時、跡部は今までにないくらい凹んでいた、いやしかし私は正しいはずだ。
私は呆然と立ち尽くす跡部をおいてテニスコートへ走った、みんなに今日のメニューを伝えるために。

「おー、跡部はどうした?」
「えー?誰それー」
「なんや喧嘩でもしたんか?」

今日もテニスコートにはみんなの笑いとボールの弾む音が響く。
―――――
ちいさんリクエスト何だかんだ完璧には程遠い空回る跡部。
空回るというかばかというか、あんまりリクエストにあってない気もしますが残念な跡部です。
ちいさんリクエストありがとうございました。

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