青い空、白い雲、私が勇気を持って一歩踏み出せば、世界はがらりと変わるんじゃないか、そう思って大好きだったあの人に告白した、そしたらその人は困ったように笑って、ごめんね、と小さな声で言った。

「仁王にこの虚しさがわかるか…」
「わかるのう」

それは雨がざあざあと降っていた日だった。
朝、天気予報のお姉さんはいつものようににっこり笑って今日は晴れですと言った、天の邪鬼な俺はいつものようにお姉さんにそれはないじゃろ!とツッコミをいれて学校に傘を持っていった。
案の定帰りの時間が近付くに連れて雲行きがあやしくなっていき、帰りの会がはじまる頃には雨が降りだしていた、同じクラスの赤髪は傘がないと騒いでいた。
クラスのみんなが笑っている中、たった一人俯いたり窓の外を見たり挙動不審な子がいた、そう、そいつは俺の想い人だった。
そいつの挙動不審を見ていて俺は直感した、傘を忘れたんだ、と。
放課後、みんなが鞄を傘の代わりに走って帰る中、そいつはただ下駄箱から外を見ていた。
俺は静かにそいつに近付いて、傘を指差して声をかけた、一緒に帰ろう、と。
そいつが答えようとしたその時だった。
後ろから声がした、仁王、あ、傘持ってんじゃん!いれて!

「あ、それ」
「そうじゃ!お前さんじゃよ!」
「あはは、だから隣りのかわいこちゃんはかたまってたのか!」
「その後、そいつ他の傘を持っていた男にとられた!まさちゃん泣いちゃう!」

仁王が両手で顔を覆った。
私は仁王の背中をばんばん叩く、どんまいどんまい、そう言えば仁王は初恋じゃったのにと言った。

「初恋だったんだ…仁王のキャラ的に100人目くらいの女かと…」
「謝りんしゃい!俺に!」
「あーごめんごめん、てか仁王ってああいう子タイプなんだ、確かに胸大きかったもんね」
「胸だけじゃないぜよ、手も綺麗で髪も手入れされてて笑うと笑窪ができる可愛い子だったんじゃ!」

仁王が熱く語りだしたので私は適当にはいはいと相槌を打ちながら宿題の数学のプリントの問題を解くことにした。

「てか仁王髪短い方がいいの?」

私がそう言えば仁王は首をぶんぶんと横にふった。
そして何故か得意顔でまた語りだした。

「綺麗なら長くてもいいぜよ、真っ直ぐもゆるいカーブも魅力的じゃが、たまーに寝癖があって必死になおしてるとなんかこう…きゅんてなるのぅ」
「あー、ちょっとわかる!寝癖を気にしてる人って可愛い!」

二人で意気投合して笑いあう、これがあれか、萌えってやつなのかと二人で感動した。
「「あーえー」」

私たちは叫んだ。

―――――
暁さんリクエスト仁王と恋バナ。
あれ…恋バナ?萌えバナになって…あれ…すみません。
初恋が砕けちゃって悲しむ仁王が好きです!(こら)
暁さんリクエストありがとうございました。

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -