「いつ見てもかっこいいなあ」
ぽつりと呟いた言葉がたまたますれ違った鬼道に聞こえたらしくにやにやと鬼道が近付いてきた。
「俺がか?」
「死ね、豪炎寺くんのことだし!」
「ツンデレか、嫌いじゃないぞ」
「こいつ死なないかな」
私がそう言ってその場から歩き出せば鬼道も私と同じ方向へ歩き出す。
私が走り出すと鬼道も走る。
立ち止まってくるりと鬼道に向き合う。
「天才ゲームメーカーの俺になにか用か?」
「なにが天才ゲームメーカーだ、玩具屋か?玩具屋なのか?てかトラブルメーカーの間違えだろ私に付きまとうな変態!」
「…も」
「は?」
「もう一回言ってくれ、録音する」
私は言葉を失ってその場に立ち尽くした。
鬼道は素早くその時私のアホっぽい顔を携帯のカメラで撮影した。
「なっ、ばか、削除しろ!」
「待受にさせてもらった!では部活があるからまたな!」
さすが運動部、足は速かった。
数秒後には鬼道の姿はもう見えなくなっていた。
一生見えなければ幸せなのに。
しかしそんなことを言ってられない、鬼道の携帯をただの鉄の屑にしなければいけない。
もし、他の人に見られたら、考えただけでもぞっとする。
私は急いでグラウンドへむかった。
グラウンドではサッカー部が一生懸命走っていた。
青春とはいいものだ。
しかし和んでいる場合ではない、鬼道を探していると後ろから声をかけられた。
「!」
「お前鬼道と付き合ってるのか?」
憧れの豪炎寺くんが目の前にいる、本物だ、動いた、喋った。
鬼道と付き合ってるのか?え?
「いいえ、鬼道のばかがなんか変なこと言ってました?」
「待受が」
「鬼道どこですか?」
「あっちだ」
私は全力で走った、憧れの豪炎寺くんが止めるのも無視し、気持ち的には光の速さで走った。
「なんだ、告白か?」
にやにやと笑う鬼道に私は全力で蹴りをいれた。
ばたりと倒れる鬼道、手から落ちた携帯を私は無言で踏み続けた。
「な、なにがあったんだ?」
豪炎寺くんが倒れた鬼道と私を見てそう言った、私は急に自分がやったことのやばさに気がついた。
「あわわわわわわ」
「お、落ち着け」
豪炎寺くんが私を抱き締めた。
「アワワワワワワ」
さっきとは違う意味で私は震えた。
豪炎寺くんも焦っているみたいでどうしたものかと少し考えて私の頭を撫でた。
私のテンションが宇宙まで突き抜けた。
「好きです!」
豪炎寺くんが目を丸くした。
気付いたら私は告白していた。
「あわわわわわわすみませんすみませんちょっと私頭いかれてましたすみません」
「俺も」
「え?」
「俺も好きだぞ」
そこで私の意識は途絶えました。
気がついたら何故か豪炎寺くんの携帯の待受が私の寝顔になっていて私の携帯に豪炎寺修也という新しいアドレスがはいってました。
―――――
knさんリクエスト豪炎寺!
鬼道が変態というか、鬼道が気持ち悪いですね。
豪炎寺に頭なでなでされたい今日この頃ですかっこいいぜちくしょう!
knさんリクエストありがとうございました。