なあお前好きな奴とかいんの?隣りでコーヒー牛乳を飲んでる飛鷹が言った。
何を突然言い出すかと思ったら、私はいませんと答えてフルーツ牛乳を飲み干した。
「なんか風呂上がりみてえだな」
ほんと飛鷹って不思議、どこが風呂上がりなのか聞けば私のフルーツ牛乳を指差して、それから自分が持ってるコーヒー牛乳を指差した。
「は?」
「風呂上がりってコーヒー牛乳とかフルーツ牛乳とか飲まねえ?」
可愛いらしく首を傾げた飛鷹に私は思わず笑ってしまった。
すると飛鷹は怖い顔になってなに笑ってんだよと言った、やっとヤンキーみたいなことしたな。
私はすみませんと謝って焼きそばパンにかぶりつく、飛鷹はコロッケパンにぱくりと女の子みたいに食べた、ここで笑ったらまた怒られるんだろうな。
私は取りあえず焼きそばパンを見つめることにした。
「焼きそばパン喰いたい」
「は?」
「くれ」
私が嫌ですと言えば飛鷹は捨て犬のようにしゅんとした、一口だけですよ、そう言えばニッと笑って私から焼きそばパンを奪って食べた、あ、また女の子みたいな食べ方だ。
私がじゃあ飛鷹のコロッケパン一口ちょうだいと言えば飛鷹はおうと私の前にコロッケパンをだした、ぱくり、コロッケパンを一口かじると飛鷹はうまいよな、と笑った。
こいつほんとにヤンキーなのかな、私はうまいと答えてフルーツ牛乳を飲もうとしたがさっき全部飲んだことに気付いて飛鷹のコーヒー牛乳を飛鷹が空を見てる間にこっそり飲んだ。
「あ、おいてめえ俺の飲んでんじゃねえ!」
飛鷹が仕返しだと私のフルーツ牛乳をとったが空なことを知って悔しそうにフルーツ牛乳を私に投げた。
ほんとに少し残っていたフルーツ牛乳がかかった。
「かかった!」
「ざまあ」
「最低!」
「知らね」
フルーツ牛乳は牛乳だから臭くなるのよと叫んでも飛鷹はけたけた笑うだけなので悔しくて私はコーヒー牛乳を飛鷹に投げた。
びっしゃあ、まだ三分の一くらい残っていたコーヒー牛乳が飛鷹にかかった。
まさかのびっしょびしょな飛鷹に私はタオルを渡す。
しかし飛鷹はかたまったままだった。
怒ってる、絶対怒ってる。
「てめえ……あ、く、くくっ」
「え?なに?」
突然飛鷹が私を指差して笑いはじめた、私はびっくりして自分の服装が変じゃないか見た。
「あ、ふふっ」
よく見たら飛鷹にコーヒー牛乳を投げた時に少し私にもかかってたみたいで、白いワイシャツにコーヒー牛乳の茶色が染みて、ハートの形になっていた。
ハートで笑うって飛鷹ってヤンキーじゃなくて乙女なんじゃないかな。
「あー、タオル貸せ」
「はい」
「まったく、最悪だよ」
「飛鷹が投げるから」
「俺のせいかよ」
「だって」
「まあいい、お前の笑った顔今日も見れた」
飛鷹って、乙女?そう言えば飛鷹は私の頭をぱしんと叩いた。
痛いと言えば飛鷹は笑ってた、くそ、私が飛鷹を叩くとコーヒー牛乳が手についた。
最悪だと呟いてもう一枚タオルを出してごしごし手をふく、飛鷹はもぞもぞと服を脱ぎ出した。
「ちょ、あんたばか!?」
「は」
「脱ぐなよ!」
「だって誰かさんのせいでコーヒー牛乳まみれなんだぜ」
「う」
言い返せなくて私は飛鷹て反対の方に顔をむけた、ばかだよこいつ、普通脱ぐか?
私がぶつぶつ言っていると飛鷹はタオルありがとなと私の目の前にタオルをだした、別に、素っ気無く答えてタオルを受け取る。
「じゃあ俺水道行ってくるわ」
「は?その格好で!?」
「え?ああ」
「ばかだろお前!」
私が叫ぶと飛鷹は別にいいだろと言った、いや、だめだよ、露出狂かあんた!そう言って腕を引っ張る、離せよ、飛鷹が腕をぶんぶんふった。
どさっ、転んだ、しかも飛鷹の上に乗っかってしまった。
「ごめん」
「ああ、大丈夫だ」
起き上がろうとした時ドアがあいた。
「……お邪魔しました」
「コーヒー牛乳くせえ」
この世界ばかばっかだ。
―――――
かさたさんリクエストおばかな飛鷹。
おばか…うん、おばかなのかなこれ…上半身裸で水道まで行こうとするのってばかですよね…多分。
書いてて楽しかったです。
かさたさんリクエストありがとうございました。