知ってるかい、優しい声が私の部屋に響いて消えた。 首を傾げると幸村は私の頭を撫でて言った。 世界はキミのためにまわっているんだよ。 そう言った幸村の顔は、冗談なんか言ってる顔じゃなくて、私は止まった。 「え」 ニッコリ、幸村は笑った。 私がそれはないよ、と笑うと幸村はそうなんだよ、俺の世界はね、そう言ってどこか遠いところを見た。 私は幸村の視線にはいりたくて、幸村の瞳にはいりたくて、幸村の顔の目の前にいった。 なんだい、そう言って幸村は私の背中にするりと手をまわして、ぎゅうとした。 幸村の中に入りたい、そう言うと幸村はくすくすと笑って、ちゅと私の額に唇をつけた。 幸村、静かに彼の名前を呼ぶと、幸村は優しく私を押し倒した。 「すき」 「俺もすきだよ」 ちゅ、ちゅ、ちゅと額、鼻、頬とキスされる、ねぇ、口にはしてくれないの?そう言えば幸村は欲張りって笑って唇と唇がくっついてすぐはなれた。 幸村、幸村、彼の名前を呼ぶと優しく頭を撫でられた。 ねぇ、幸村、私の世界も、幸村のためにまわってるよ、そう言った時の幸村の驚きようったら、いつ思い出しても笑える。 くすくすと笑っていると幸村がきて、隣りに座って笑った。 「なに笑ってるの?」 「いや、昔のこと思い出してたの」 「そう、そろそろ式がはじまるよ」 「ねぇ、幸村」 「キミも幸村になるけど?」 「そうね、せいいち」 「なに」 「すき」 「俺も、好きだよ」 私、今日結婚します。 ――――― 幸村おまかせ、ありがちな結婚ネタですみません。 ふじもとさんリクエストありがとうございました! |