「れんじ」 彼に小さく声をかけると彼はくるりと私の方をむいて、多分私を見た。 そしてなんだ、と用件を聞いてきたので私はニッと笑って手をグーにして上にあげた。 「じゃんけんしない?」 「しないが」 れんじはいつも通りだった、なんだか軽くあしらわれた気がして悔しくて頬をふくらました。 「どうした」 頬がふくらんでいるぞ、笑いながられんじは私の頭をぐしゃりと撫でた。 私はむすっとしたままれんじの手を払った。 れんじは不思議そうに首を傾げた。 「けち」 「ふ」 れんじは笑った。 なにがふ、だ馬鹿!と叫べばれんじはなんとでも言えばいいとくるりと後ろをむいてしまった。 「れーんーじー」 私はれんじに抱き付く、れんじは溜息をついて私を見た。 「なんだ」 「じゃんけん」 はあ、とまた溜息をつくれんじを挑発するために私ははっはっはっと笑った。 「れんじ、キミは私にじゃんけんで勝てない」 そう言って人差し指でれんじをビシィッとさすとれんじはふ、とまた笑った。 そして、ほう、それは面白い、と目を開けた。 「ぎゃ!開眼しないでよ、れーんーじー」 なだめようとれんじに抱き付くとれんじは、お前が面白いことを言うからだろう、と言って目を閉じた、いや、開いているのだろうけど。 私はひるんだ、しかし少し深呼吸をして落ち着いた私はまたれんじを指さした。 「でも事実よ!れんじは私に勝てない」 「最初はパーとか言うんだろう」 「えっ」 まさか私がやろうとしたことを言われるなんて思ってなかったから素頓狂な声がでた。 「図星か」 れんじは溜息をついた。 「ち、ちが…」 「ならやろうか」 「う………ばかー!」 私が叫ぶとれんじはまた溜息をついて耳を両手でふさいだ、悔しい悔しい悔しい、絶対じゃんけん勝ってやる、私は最初はパー!と言った、れんじもパーを出す、じゃん、けん、ぽん。 「か…勝った…!やーいやーい!勝った勝った!わっしょーい」 私が両手をあげて喜んでいるとれんじはなんだか嬉しそうに笑っていた。 私は首を傾げた。 「(あいつは最初チョキしかださないからな)」 「れんじ」 「なんだ」 「もしかして…わざと」 「そんなわけないだろう」 れんじは笑った、私は安心した。 これは私の実力なんだ、ニヤつく口元を押さえて私はれんじにドンマイと言った。 れんじは笑っていた。 ――――― 柳ギャグ、ギャグ? ギャグってなんでしたっけ← 刺子さんリクエストありがとうございました! |