「酒持ってこーい」 幼馴染みが俺の家に突然訪ねてきたと思ったら第一声がそれだった。 俺は溜息をついて幼馴染みを自室にいれて、水を持って帰ってくると相変わらず幼馴染みは酒、酒!と叫んでいた。 「はいはい水飲みんしゃい」 ことりと音をたてて水の入ったコップをテーブルにおくと幼馴染みは、酒はないのか!と叫んだ。 ええ加減近所迷惑ってもんをわかってほしいもんじゃ。 俺が溜息をついて、まだ中学生ナリと答えると幼馴染みは水を一気飲みして、女々しいやつめ、と俺を睨んだ。 ほんとこいつ酔っ払ってんじゃないか?俺は少し疑ったがいつもこんな感じじゃから大丈夫か、と自分の中でいろいろ考えた。 「まあ取りあえず落ち着きんしゃい」 「落ち着いてられるかあ!」 幼馴染みは叫んだ、ほんと近所迷惑なやつじゃ。 俺が、今日はなんじゃと聞くと幼馴染みは泣きそうな顔した。 びっくりして何かまずいことでも言ったかと口元を手で押さえる。 「テストの点がよろしくなかった」 「ちゃんと勉強せんからじゃろ、帰れ」 全くこいつは全然成長しとらん、俺がそう言って突き放すと幼馴染みはうわーんとテーブルに突っ伏した。 俺は溜息をついた。 「勉強したよー雅治勉強教えてー」 「帰りんしゃい」 「ばかはる!」 「はいはい」 適当に流していると幼馴染みはわんわん泣き出した、全く、ほんと子供かこいつは、まあ中学生なんて子供か。 俺がわかった教えてやる、と言えば幼馴染みの顔はぱあっと明るくなった。 幼馴染みは手提げからノートと筆箱を出した、俺も教科書を取り出して適当に要点を教える。 少ししたら、幼馴染みが飲み物ほしいと煩くなってきたので、俺がジュースは姉貴のじゃからお茶くらいしかないぜよ、と言えばお茶最高と幼馴染みは言った。 酒がほしいと叫んでいたのは誰じゃったかのう、そうは言わずに俺は下の台所へとお茶を取りに行った、お茶をコップにいれて、自室へ戻る。 すると幼馴染みはテーブルに突っ伏したまま寝ていた。 「おい」 声をかけても幼馴染みはすうすうと眠っていて起きる様子はなかった。 俺は溜息をついてお茶をテーブルにおいた。 「ば、かはる」 「寝言で人の悪口とは、なかなかのやつじゃの」 俺はそう言って毛布を幼馴染みにかけた、幼馴染みはまだ眠っている。 「ばかはどっちかのう」 間違えだらけのノートを見ながら俺は呟いた、起きたら次のテストにむけて、一緒に勉強でもするかのう。 ――――― 仁王ほのぼの 全然ほのぼのしてない…なんか…その……すみません 暁さんリクエストありがとうございました! |