あいしてるとかすき、とか勉強とか友達関係とかすべてわけわかんなくてリセットしたくて死にたくて、死にたくて、私は今屋上にいます。
後ろには大好きなまさちゃんが私を止めにきています、無駄なのにね。
やめんしゃい、まさちゃんは言います。やめない、私はそう言って網によじのぼる。
近付くまさちゃんにやめてと叫べば苦しそうな顔してまさちゃんは止まった。

「ばいばいまさちゃん」

冗談はやめんしゃい、まさちゃんは言います。冗談なんかじゃありませんよ、と笑うと柳生くんみたいになっちゃった。
やめんしゃい、まさちゃんはまた言います。しつこいしつこい。
やめない、と言いました、何故か涙が零れました。
もうやめにせんか?とまさちゃんが言います。何をですか?また、柳生くんみたいになった、涙がぽろり。
なんで涙が零れるんだろう。
私は自分の手が震えていることに気がつきました。
なんで手が震えるんだろう。

「まさちゃん」

なんじゃ、とまさちゃんは真剣な顔で言ってきた、そんな顔今まで見た事なかったよ。なんだか嬉しいな、嬉しい。

「死ぬの、怖い」

そう言いながら涙を流すとまさちゃんは両手をいっ、ぱいに広げてこっちきんしゃい、と言った、私は網によじのぼるのをやめてまさちゃんの所まで走った。
まさちゃん…まさちゃん、まさちゃん!まさちゃん!私は叫んだまさちゃんはやわらかく笑ってくれた。
「怖いよ」

死にたく、ないよ。と言えばまさちゃんは私を抱き締めてくれた、優しく壊れ物を扱うみたいに。
とにかく、優しかった。
そしてもう一度優しく微笑んだ。
こんなに優しく微笑むまさちゃん初めて見た、いつもは意地悪だったり、いたずらっこだったり、とにかく初めて見た。
今日はいろんなまさちゃんを見れたな、嬉しいな。

「まさちゃん大好き」
「大好きナリ」

それだけ言ったまさちゃんは今度は思い切り私を抱き締めた。ぎゅうぎゅうと音がしそうだ。痛いよまさちゃん、呟くと名前を呼ばれた。
なに、まさちゃんと言えばまた名前を呼ばれた。意味がわからないよまさちゃん、ねぇなに?笑って言うとまさちゃんの瞳から綺麗な涙がほろり、ま、ま、まさちゃんが泣いてる?私も涙が止まらなくなっちゃってまさちゃんも止まらないみたいで二人で笑った、さっきまで死のうとしてた私ばっかみたい。