愛してる愛してるって何回も言ってくれてもキスもハグもしてくれない、本当に好きなのか毎日不安で不安でたまらない。
シカマルの隣りに私がいていいのか不安でならない。

「はあ」
「どうかしたか?」
「シカマルのせいよ!」
「はあ?」

シカマルは眉をしかめて意味がわからないと言いたげな目をした。
私はもう一度シカマルのせいよ!と叫ぶ、シカマルは二回も言わなくてもいい、と言った。

「言いたくなるわよ!シカマルのせいよー」
「俺、なんかしたか?」

苦笑いするシカマルの肩を思い切り殴るとシカマルはいってぇ!と叫んだ。
私の心の痛みに比べたら全然痛くないわよ!と叫べばシカマルは溜息をついた。
ああ、飽きれられた、私、やっぱりシカマルに似合わない。

「ばか!」

そう叫んで走り出すとシカマルは待てよ、と叫んだ、でも止まらない、止まれない。
涙も止まらない。

「ばか…」

小さな公園のブランコにのる、小さな小さな声で言う。

「馬鹿で悪かったな」
「シカマ、ル」

ほろり涙が零れた、その涙をシカマルは指で拭った。
私がいや、と拒むとシカマルは不機嫌そうな顔をさらに不機嫌そうにして私を見た。

「シカマルには、私なんかよりいい人がいるよ」
「はあ?」
「だから、シカマルには「聞こえたっつの」

不機嫌そうな顔をしてシカマルは言い放った、私は思わず泣きそうになる。

「私、シカマルに似合わない」
「似合う似合わないの話じゃねぇよ、俺はお前がいいんだ」

おでこを指でぱちんと弾かれた。
涙がまた零れた。

「でも」
「でもじゃねぇ」
「…シカマル」
「好きなんだ、俺はお前が」
「でっ、でもシカマル、ハグもしてくれない」

シカマルはびっくりしたみたいでは?と聞き返してきた。

「シカマル…ハグもキスもしてくれない、本当は好きじゃないのかもって…」
「あー……悪かった」

頭をがりがりと掻いてシカマルはぽつりと呟いた、私は下をむいて黙り込む。

「女の気持ちなんてわかんねーからよ、ほんと悪かったな」

そう言ってシカマルに抱き寄せられる、どきどき、心臓が煩い。

「私も、わがまま言ってごめんなさい」
「わがままなんかじゃねぇよ」

シカマルが喋るたびに振動が伝わってくる、気持ちよくて私は目を瞑る。
シカマルは私の頭を優しく撫でた。

「シカマル…好き」
「俺もだ」

そう言うとシカマルは私を抱き締める腕に力をいれた、ぎゅうと締め付けられる。
少し苦しいが、嬉しい。

「キスしていいか?」
「…うん」

こくりと頷くとちゅとシカマルの唇が私の唇にくっついたと思ったらすぐ離れた。

「あー…やっべ、」
「シカマル?」
「止まんねぇ」
「え…ちょ」

シカマルに押し倒された。

「ばか!」
「ぐへっ」

思い切り殴るとシカマルは悪い悪いと笑った。
私もくすくすと笑って立ち上がってシカマルに手を差し延べる、シカマルはさんきゅと言って立ち上がった。

「帰ろっか」
「ああ、そうだな」