「土門くん土門くん」

土門くんのユニフォームの裾を引っ張ると土門くんはくるりと私の方を向いてなに?と笑顔で聞いてきた。
土門くんのこの笑顔、好きだな。

「ちゅうしたい」
「ぶっ」

飲んでいた飲み物をふく土門くん、私はびっくりしてキョトンとしてしまった、土門くんはタオルで口をふいて私に言った。

「だ、誰とキスしたいって?」
「誰かと」
「(俺じゃないんだ)」

土門くんは黙ってしまった、私何か悪いこと言っただろうか、なんだか申し訳なくなってごめんなさいと謝った。
すると土門くんは謝らないでいいからと笑った。
あ、また私の好きな笑顔。

「なーにニヤけてるの?」
「土門くんの笑顔が好きだから見ててニヤけちゃった」

イヒヒ、と笑うと土門くんは目を丸くして固まった、そして少しして頭をかかえた。

「(可愛いこと言ってくれるじゃないか)」

また何か悪いこと言ってしまったかな、やってしまったかな、私は俯く。
すると土門くんが私の頭をぽんと叩いた。

「俺も好きだよ、キミの笑顔」

ニッコリ笑う土門くんが格好よくて私は思わず飛び付いてしまった。

「う、お(いい匂いって何考えてんだ俺)」
「土門くん好き!」
「お、おお俺も好きだ!」

土門くんのまさかの返事にびっくりした私は口をだらしなくあけて土門くんを見つめた。
すると土門くんがキスしていいか、と聞くからこくりと頷いて目を閉じた。
額に柔らかい何かがあたった、きっと土門くんの唇だ。
「口じゃなかった」
「ご不満ですかお姫様」
「うん、もう一回」
「はいはい」

土門くんは困ったように微笑んで私の口にちゅうをした。