ぽちぽちぽち、今俺の彼女は俺の部屋で俺のベッドに腰掛けて携帯をいじっている。
きっと多分絶対メールしている、誰としてるか聞くと雅治と、と答える。
あれ、こいつ仁王のこと名前で呼んでたっけ。

「最近ね、雅治と急に仲良くなってね、だから名前呼び」
「え。声にでてた?」
「うん」

こくりと頷くもこっちは見ない、携帯と睨めっこしてなにがそんなに楽しいんだよぃ。
俺以外の男とメールしてなにがそんなに楽しいんだよぃ。
今は俺と自宅デート中だろぃ、くそ、仁王の野郎今度あったらぶっ飛ばす。
でも仁王に逆にぶっ飛ばされそうだな、やめとこう。
そうだな、注意くらいにしとこう。
うんうん。と頷いて彼女から携帯を取り上げる。
「ちょっとなにすんの」
「他の男とメールしてる暇があるなら俺と話そうぜぃ」
「むり」
「…」

あっさり断られてがっくりと肩を落とす、彼女はけたけた笑いながらだってブンちゃんお菓子の話ばっかでつまんない、と言われた。
やべ、泣きそう。

「雅治は音楽とかさ、芸能人の話とかしてくれるから楽しいの」
「俺は」
「お菓子ばっかでつまんない」

ガーン、なんて効果音じゃすまないくらい凹む。
女ってお菓子とか好きだろぃ、てか俺の周りの女って俺の話聞けるだけで嬉しいとか言ってんのになにこいつなにこいつ。
なに言ってんの?
つまらない?俺の話がつまらない?

「ありえねー」
「何が?」
「てかじゃあさじゃあさ!」
「え、なに?全然話がみえない」
「なんで俺と付き合ってんだよぃ」

俺がそう聞くと彼女はえ?と笑った。
笑わないでくれよぃ、俺真剣なんだ。と言えば彼女は真剣な顔で答えた。

「好きだからに決ってるじゃん」
「俺お前のこと死ぬほど好きだ」

俺ってやつは単純なのかもしれない。