「夏だねー」
「そうだな」

私は今彼氏の岳人の部屋のベッドで横になっている、岳人は隣りで横になりながら漫画と睨めっこ。
シングルベッドなので肩がくっつくくらいに近い、のに襲われないのは私に魅力がないからか?ん?

「海行きたいねー」
「ああ」
「でもさ、水着やだな」
「なんだよ、俺お前の水着見てぇのに」

そう言った岳人は漫画をぽんと投げた、テーブルの上に見事に着地する漫画、あーあ、痛そうと思いながら私は言う。

「えーやだ!変態!」
「あー…悪い」

岳人は苦笑いして謝った。
そんな岳人を見てくすくす笑いながら私は近くの雑誌をとる。

「別に謝らなくてもいいよー…大好き岳人」
「さんきゅ、俺も好きだぜ!でさ、海行くのか?」
「いや行かない」
「行かないのかよ」
「だってダルいもーん」
「まあ…そうだな」

岳人はさっき投げた漫画の続編の漫画を読み始めた。
私も雑誌を読む、女にモテる方法、ふむふむ岳人はこんなの読んでるのか。(私というものがありながら!)

「あ!プールは!?」
「おお!プールいいな!」

岳人の心のこもっていない無駄にでかい声が響く。

「でも水着か…」
「そこかよ!俺は水着でもいいぜ」

岳人がニカッと笑う、ああ格好いいわ!なんて思いながらも私は話を続ける。

「岳人がよくても私がよくないの!」
「なんだよ、つまんねぇの」

岳人はぷくりと頬を膨らます、私はくすくす笑いながら岳人の頬をつつく。
少ししてつつくのに飽きるとまた雑誌に目をむける。
格好いい男になるには、あら岳人もう格好いいのに。

「あー西瓜割りしたい!」
「あ!西瓜俺の家にあるぜ!」

ニコニコ笑いながら漫画そっちのけで起き上がり興奮した様子の岳人。

「ナイス!でも場所がないなー」
「場所か…跡部の家とか」

少し考えて意外な答えをだした岳人に私は苦笑いする。
そして答える。

「岳人と二人きりがいい!」
「お、俺も!(きゅんときた)」

岳人はビシッと手をあげて答える、私はそんな姿を見てくすくす笑いながら少し嬉しいな、なんて考えていた。

「あー暑い」
「あーそうだな」
「クーラーつけていい?」

クーラーのリモコンをとって岳人に言う、岳人はこくりと頷いた。

「ああ、つけよう」
「あ、やっぱ我慢」
「えー」
「汗かいたら痩せるかもしれないから」
「ないな!」
「窓全開!」
「結構風がはいってくるなー」
「うん」

ちりんちりん、風鈴がなった。

「夏だねー」
「ああ」

そう言って私はまた雑誌へと視線を戻すのであった。

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ほのぼの向日、ほのぼの、してますでしょうか?(聞くな)
愛はたっぷりはいってます!
ぽろり様リクエストありがとうございました!
     子谷