happy valentine day 7
「疲れてるわね」
声に振り替えるとモアがいた。回りに誰もいないことを確認しつつ、ハンスは頷いた。
「ああ…」
そんな彼に、モアは小さな箱を投げた。
「あげる」
「なんだ?」
「プレゼント。お返しは三倍よ」
「は?」
「じゃあね」
ヒラヒラと手を振ってモアは行ってしまう。
「なんだアイツ…」
よくわからないまま、箱をポケットに突っ込んだ。そのまま家に帰ると、家の中が甘い匂いに満ちていて、ハンスは思わず顔をしかめた。そのまま居間に行くと、大量のラッピングされた箱が机に積まれていた。それを目の前に、リュークが戸惑っている。
「なんだこれ?イタズラか?」
ハンスが声をかけると、リュークは振り返り苦笑いした。
「全部チョコです」
「チョコ?」
「聖ウァレンティヌスの祝日ですから…」
「ああなるほど…」
そうかバレンタ…
「ああ!!」
『お返しは三倍よ』
「しまった…」
受け取ってしまった箱を取りだしハンスは項垂れた。
一体何を請求されるか…
考えただけで、頭痛がした。
終→あとがき