(▼なんかよく分からない感じになっちゃった)
あ、と思ったときには既に遅かった。瞬時に布か何かで目隠しをされ、視力を奪われる。背後から口を片手で押さえつけられて床に四つん這いになった。廉造が必死にもがくと、塞いでいた手は離れ、代わりに彼のベルトを外しにかかった。
「な…!やっ やめッ」
焦って身を捩るが両腕は自身の体重を支えるのに精一杯でろくな抵抗ができない。男は下着ごと取り去ると、露になった性器に迷いなく触れた。
「ひッ… い、あ、だっ誰か…ッ」
声が上手く出ない。こんな状況にも関わらず、感じる場所を的確に刺激されて自然とカウパーが滲み出てきた。静かな部屋の中、聞こえるのは擦られる度にぐちゅぐちゅと響く音と、ハアハアという男の興奮した息遣いだけだった。
「あっ、あぁ、はあ、」
裏筋を何度も何度もなぞられると、腰がぶるりと震えた。いつの間にかシャツをめくり上げ、左の胸を捏ねてくる。乳輪部分に人差し指を這わせてくるくると円を描くと、廉造は焦れったいのか鼻に抜けた甘い声を洩らした。
「は…、はぅ…っ んん、」
目が見えない分、神経が研ぎ澄まされ僅かな快感も拾うようになっている。
「、や あ、それ…… ンひゃ!?」
突然乳首を摘まみ、下は尿道部分を弄くるという二つの行為が襲い、たまらず妙な声を上げた。狙いを更に敏感な部位へ移したらしく、本格的に射精感が近づいてくる。
後ろから「イきそうか?」と言葉をかけられた。
「だ、れが… いっ、イくか ボケ、ッあ!」
胸にあった手がするりと尻の割れ目を撫で、後孔へ辿り着く。乾いた指だが、じっくり火照らされた身体は案外すんなりと侵入を許した。
「う、ぅア、あ んっ 」
最初はゆっくり行き来していたが段々中をかき混ぜたり弱い箇所をつついたりと大胆な動きを見せる。
「ふっ…は、んう…」
ちゅぽ、と音を立てて、蹂躙していた指が出ていった。入れ替わりで硬く熱を帯びた肉棒が解された場所へ向けられる。
「や…!!そ、それっ!それだけは堪忍しっ」
懇願も虚しく、男の性器は廉造の其処を深く貫いた。
「―――――ッあ゛… っぁぐ、」
いきなりの激しさに、息が詰まる。打ち付けられる度にぐちゅっと濡れた音とパンッと肌のぶつかり合う音が真っ黒な世界で反響して、廉造を耳からも犯した。
「ゃ…、あ…っいやや あんっ」
「嫌じゃないだろう」
「知らない奴にこんな風に善がるとはとんだ淫乱だな」
また声がする。耳元で呼吸が伝わって、下半身に力が入った。肩や首筋に男のものであろう髪が触れ、くすぐったい。
あ。
ふわりと、良い匂いがした。
知ってる。よく知っている、大好きなあの匂いだ。ぎゅううう、と中を締めてしまい、「ぅ」と男が初めて余裕のない声を出した。
「っも、もおムリ、金兄おわり…っ」
すると布が外されフルカラーの視界が広がった。男は少しの間のあと、ぷっ と吹き出し、先ほどの雰囲気とは一変した。
「あはははははははっ おっおもろ…っお前いつもより良さそうやん、もおええんか」
「ううううっさいわ!金兄棒読みなセリフっぽい言い方するから逆に萎えるわ止めや止め!」
「あんま調子こくなよぉドスケベ」
「んあ…っ」
兄弟はその後ひと風呂浴びて、二人で寝そべり話しをしていた。
「なかなかよかったな"知らん人に犯されてどないしよう"ごっこ」
「何やったん急にびっくりしたわ。すぐわかったけど」
「あれや、マリネ?あ ちゃうマンネリ回避っちゅうやつや」
「あ〜…。せやけどそんなんせんでも今んとこ、」
「お」
「!いやっやっぱ無しさっきの無しやで忘れて!!!!」
金造がにやにやしながら顔を寄せる。さっきさっぱりしたばかりなのにと思いつつ、廉造は大人しく目を閉じた。
end