(▼廉造君が中2か中3。捏造というか妄想というかギャグ。坊と子猫は出てこないからお休みってことにしよう←平気な方のみどうぞ)
授業の合間の10分休憩中、廉造はクラスの女子達と楽しく談笑していた。
やっぱり女の子はええな。かわいいしええ匂いするし触ったことないけどきっと全部やわこいんやろなと今日も彼の助平心は絶好調だった。
「へー伊藤さんはお姉ちゃんがおるんやね」
「結婚して出てったんやけど今帰ってきとるんよ」
「ええなーあたし妹おるけど上がおらんで羨ましいわあ」
「やー、下なんかパシられてばっかやで!」
あはは、と家族構成の話題で盛り上がってきたところで、廉造に矛先が向けられた。
「志摩くんは?兄弟おらんかったっけ?」
「よっしゃ当てたろ。どれやろな兄姉弟妹…」
「え゛っ」
ギクッとして言葉を濁す。
「あ〜…えっと、俺は、」
「れーんーぞおぉォオお!!」
スパーンと勢い良く教室のドアが開き、この場では目立ち過ぎる金髪の持ち主が入ってきた。
「い!?きっ金兄!?」
「おう廉造、お前弁当忘れてったやろ。俺がわざわざ届けたったんに感謝しろや」
突如現れた来客に生徒は騒然とした。「え、誰やのあの人」「でもちょっとカッコよおない?」「金兄て言うたし、あれお兄さんなんかな」と女子がヒソヒソ話し出す。えええええ佐藤さんに加藤さんに後藤さんまであんなヤツ褒めとる…!対する本人は周りを気にするでもなく久しぶりの母校を懐かしんでいる。
「あーこれまだ壊れとるんか!懐かしいな〜俺あん時めっちゃゴリ岡に怒られてん」
「その掃除ロッカーの犯人金兄やったんかい!!何してくれとるん毎回地味に開け閉めしずらいんやけど!!」
「なーゴリ岡元気?まだココおるん?」
「有岡先生な」
言いながら後ろ頭をべしっとはたいて、今度は黒髪の青年が登場した。
「柔兄まで!どないしたん」
「仕事で校長せんせに話があってな、弁当はそのついでや。金造遊んどらんと行くで」
まだ痛がっている弟の襟を掴んでズルズル引っ張る。
「ほなみんな、騒がしくしてすまんかったな。廉造ちゃんと勉強するんやで!」
にこっと微笑んで、ピシャ…と静かに扉を閉めて二人は出て行った。
「…ッきゃあああああああああああああ!!!!!!!!ちょっ、志摩くん何なんアレあの爽やかハンサムさん!めっちゃカッコええやん!!」
「それもやし最初の金パでイケメンな人は!?!?」
「お兄さん?両方お兄さんなん!?」
「せやったら何でもっと早くに教えてくれへんのー!」
残された末弟は一斉に質問攻撃された。同じクラスの男子からは味方になるどころか止まない黄色い歓声に「早く女子黙らせてやー」とクレームがくる始末だ。
ああ…だから言うの嫌やったんや…
廉造は大きくため息をついて項垂れたのだった。
end