「おまえ……最悪」

拭いてもらって綺麗になったものの、余計にだるさが増した体に舌打ちする。ギロリと睨みつけてやるが、臨也は下品に笑うだけだった。

「よかったじゃない、いっぱい汗かけて」
「殺す殺す殺す」
「はいはい」

子供をあやすように受け流して、臨也は静雄の脇から体温計を抜き取る。

「7度5分か……下がってきてるね」
「…………」

そう言って体温計を振る臨也に、静雄は憮然とした顔になった。熱が引いてきているのが、先程の行為のおかげとは思いたくない。

「じゃシズちゃん、後はゆっくり休んで」

臨也の言葉に、お前が言うなと呆れる。

「お粥作ってあるから、食べれそうになったら起きて食べて?ポカリの大きいの冷蔵庫に入れてるから、こまめに水分補給してね」
「…………」
「じゃ、俺は帰―――」

立ち上がった臨也の裾を、静雄はくいっと引っ張った。つんのめった臨也の体が少し静雄に傾く。


「シズちゃん?」
「…………」

驚いたような臨也の声が響く。気恥ずかさに、静雄は枕に顔を埋めた。

「もう、帰んのかよ……」
「………え、」
「…………」
「シズちゃ」
「のど!」

耐え切れなくなって、静雄は意味もなく大きな声を出す。

「のどが渇いてんだよポカリ持って来い」

お前のせいで。

お前のせいでのどがガラガラなんだよお前のせいで腰が立たねぇんだよお前のせいでお前のせいで、

1人になるのが、急に寂しくなったんだよ。


「早く持って来い………そんで、」

もっかい飲ませろ。

言うと、臨也は笑って、真っ赤に染まった静雄の耳元に優しく口づけたのだった。


















HOT HOT HOT!!

(ただいま体温急上昇中)