普通のデートがしてみたい、だなんて、自分でも馬鹿みたいだと思ったけれど、グリーンが久々に正式な休日がとれたんだと言っていたから強請ってみたんだ。そうしたらグリーンはたっぷり間をとった後、お前はどうしてそんなに可愛いんだと真顔で問いかけてきた。羞恥で爆発しそうになったけど、綺麗に笑ってどこへ行こうかと聞かれたらそんなことはどうでもよくなった。

「レッド、お前、座って席とっといて」
「……うん」
辺りがラブラブカップルの皆さんで埋め尽くされたカフェ。散々所謂ウィンドウショッピングというものをして(まあ自然とポケモン用品ばかりになるのだけれどそれは仕方ないと思う)休憩がてらに、と自分で言うのもなんだけど甘党の部類に分類される僕のためにグリーンがチョイスしたお店だ。男2人が並んでいるのは大層浮いていることだろう。

(あれ…席、って)
席をとっておいてと並ぶ列から外された僕ははたと気づく。ここのカフェは持ち帰りが主流らしく、席は充分に余っていた。ちらりとはグリーンを振り返ると、意図したところを理解したのか「座っとけ」と口をパクパクさせた。
これは、上手く誘導されたな、と思ったのは席についてからだった。座ってみて、なる程自分が割と疲れていたことに気づいた。慣れない人混みがきいたのだろう。つくづくグリーンは慣れているというかプレイボーイというか……。

「ほら、お待たせレッド」
「……ありがと、グリーン」
グリーンが運んできてくれたのは甘そうなワッフルとミルクティー。美味しそうなそれを受け取って
「グリーンって、今まで、」
何人くらいと付き合ったの?
そう聞こうとしたけれど、途中まで言葉にして、それはなんだか凄く意味の無いことに思えて、止めた。するとそれを察したのだろうか、グリーンが
「俺はお前に甘いらしいからなー」
と苦笑した。その言葉の裏に隠れた言葉にしなかった質問の答えと、口内に広がるクリームの甘さに、僕はこっそり微笑った。


甘過ぎる君の優しさ


-----------------------
実話です凄い感動しました。まあ相手女の子ですけど。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -