「あれ、サトシ、君身長縮んだ?」
思わず言ってしまってからああこれは怒られるだろうな、と思った。
「いきなりそれかよ!ちゃんと伸びてるよ!」
思った通り頬を膨らませたサトシはシゲルが伸びたんだろーと小さな声で言いながらほんの少し姿勢を正した。全くいちいち可愛くて困る。
「なんでオレは伸びないんだよーちゃんと食べて動いてんのにー」
「まあ僕より身長の高いサトシなんてサトシじゃないからねえ」
「なんでだよ!」
確かに僕とサトシでどちらがより良い食生活かというと確実にタケシくんに管理してもらっているサトシだろうし、運動量も確実にサトシの方が健康的だ。
「そういえば…シゲルはまた痩せただろ!」
考えていたことが同じだったのかサトシが突然別の事で怒り始めた。
「ちゃんと食べろって言ってんじゃんか!そのうち骨になっちゃうぞ!」
怖い例えをさらりと言って怒るサトシは僕のことを彼なりに心配してくれているのだろう。そのことに思わず口元を緩めるとサトシはそれが気に入らなかったのかもう一度ぷく、と頬に空気を含んだ。
「ごめんって…最近忙しいんだ」
本当に忙しいのは忙しいんだけれど、僕がそう言うのはサトシにくらいだ。なんとなくだけれど。
「あっ!そうだ!今日は一緒に食べようぜ!」
「えっ?」
サトシは素晴らしい事を思いついたという風に目を輝かせて今日はコロッケなんだぜー?と嬉しそうに話す。その楽しそうな笑顔と、後に繋げられた言葉に、僕は頭の隅から机に積まれた資料の山を追いやった。


不足がちな君と

(それに、そうしたら少しでも長くシゲルといれるだろ?)











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