冬が張り切ったから

2011/10/24 16:06


(サンイヴェ)







「寒い寒い寒い寒い!!」
大きな音を立てて扉が開いて半ば叫び声のような悲鳴が聞こえた。なにかと思えばローランサンが帰宅したらしい。おかえり、と声をかけると、寒いただいま!とやはり叫びながらそのままの勢いで抱きつかれた。
「冷た!嫌!離れろ!」
「イヴェ冷たい!けど暖かい!」
けれどその体温にぞくりとする。冷たい。近頃一気に気温が下がって冬がやって来た。寒いなあとは思っていたけれど、今日はそんなに低かったのだろうか。窓の外に視線をやる。
「はー…イヴェぬくい……」
と、そうこう考えてる間に冷たさに慣れたのかサンに僕の体温が移ったのか、驚くような冷たさはなくなっていた。だからといってまだ冷たいし重いし引き剥がさない理由にはならな、
「ってどこに手ぇ突っ込んで!冷たい!!」
「暖かい…あったかい…」
振りかぶった腕をなんの躊躇いもなく降り下ろす。結構鈍い音が鳴り、こちらの拳も痛かったがサンはまだ粘るらしい。するすると僕のシャツの裾から腕が侵入する。かさついた掌と冷たい温度のせいで酷く敏感に感じてしまう。ぞくりと感覚が背筋を駆け上がり、思わず変な声が出た。
「っひゃあ!」
「うっわ、なにその可愛い声」
「うっるさ、放せ!」
それを揶揄するサンの口許が完全に笑っているのが不愉快だ。けれどそんなことを知ってか知らずかサンの手はさらに潜り込んでくる。かといって既に悪戯にしては質の悪いその動きに口を開けば甘ったるい声が出てしまうのは確実だと必死に唇を結ぶ。せめてもの抵抗を掌に乗せて僕を拘束するサンの腕を叩いてみるもペシペシと軽い音が鳴っただけだった。






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続かなーい\(^o^)/
冬がそろそろ頑張り始めて寒いので腹いせにイヴェに暖めてもらいました!


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