反応を楽しむかのように。
ゆっくりと指が這う。





「芥川は随分と感度がいい」


「…仁王くんがやらしいからだよ」




耳の後ろを軽く引っ掻かれ
身体の筋肉が収縮する。




やばい
声、出そう…



漏れそうになる息を
慌てて奥へ押しやる。





その必死の努力を知ってか知らずか。

仁王の指は動きを止めず。
鎖骨をなぞるように撫でられる。




「ッ…ふ…ンっ」




声が漏れたと思った瞬間。
透かさずそれを唇が塞ぐ。


まるで声を出すことは許さないとでも言うかのように

撫でる指は止めず。
何度も深いキスを与える。







「ん…」





触れていた指と共に唇が放され

声が出せなかったもどかしさが透明の糸となって唇を伝う。







「続きはしてくれないの…?」





物寂しいような瞳で訴えれば

彼は意地悪そうに口角を上げて笑った。





「早く自分の寝床に帰りんしゃい、野良猫」






少し乱暴に
頭をくしゃくしゃと撫でられる。





さて、次はわしの試合じゃ。


そう言って彼は立ち上がり

ラケットをクルクルと回しながらコートへ向かった。







つまり、餌はお預けってことか







「…意地悪な飼い主」








糸を親指で拭い呟く。


ベンチに残された俺は。
一人眉を顰めて微笑った。







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -