小説 | ナノ
you not kill of life 1



さて、君が何を考えて、何を思っているのかはどうでもいい。

「対面上 一応こういう台詞を言って置いた方がいいのかな?」

ここを通りたくば、僕に実験(ころ)されてからにしろ



「俺は別に こんなとこ通りたくなんかねーさ。ただ通したい意地があるだけだ」


うん。そうこなくては。


彼に刀の柄の方を向けて、僕は刃の方をつかんで出した。

「…………。なんだよ?」

「使え。見たところきみは手ぶらじゃないか。僕はたくさん持っているから貸してあげるよ」

「カッ! ご親切にどーも! けどまあ 遠慮させといてください宗像先輩。部活荒らしの時に色々やったんで使い方を知らないってわけじゃねーんですけど」

ふうん。使わない、と。

「俺はこう見えてデリケートな草食係男子でね。人を傷つける武器は肌に合わないんですよ」

素手か、それとも足技かどちらだろうな。

刀を受け取ろうとしたときに刺そうと思ったのに。

「さてと! じゃあ どうやってきみの命を殺そうかな。ま、とりあえず太刀(これ)で試してみる―― かなっ!」

柄を握り、寝かせた刃に指を滑らせた後、僕は刀を横に振った。風を切る音と共に、彼へと刃を向ける。

ガッ!!

だけど彼は刃が当たる前に拳で刀に衝撃を与えた。そのまま刀はビオトープの天井に刺さった。

やるね、彼。




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