小説 | ナノ
he is ordinarily smart 2

*原作にはないオリジナルパートが入ります。



そうなんです。
世界は
殺害方法で満ちています。


絞殺 刺殺 格殺 毒殺
斬殺 圧殺 殴殺 扼殺
轢殺


――銃殺。




ガシャッ
ジャキッ

僕は二丁拳銃の撃鉄を起こして引き金を引こうとした。

「!!」

だけど同時に彼によって阻止された。

こいつ! 銃口を向けられたと同時にもう動いて――


彼は僕の手から奪って拳銃を掴んだ。

そして一瞬で分解!
この一年、拳銃に怯えないどころか
拳銃の扱いを心得ているだと!?



「別に何も心得ちゃいねーよ。本を読んで仕組みを理解し、日夜モデルガンで練習しているだけだ」

彼は鋭い蹴りを僕に向かって放つ。

こういうこともあろうかとって…
どういうことがあると思ってたんだよ。

蹴りを避けた僕はそう心の中で言った。


「なるほど、二丁拳銃(これ)でもきみの命は殺せないのか。じゃあ多丁(これ)――」

だ、 と言った僕が出した銃器達はまたしても彼の蹴りによって阻止される。

「!!」

狙いを定められる前に動いて、引き金を引かれる前に接近戦に持ち込む!
対拳銃のセオリーじゃあるんだろうが、そんな離れ業を実行できる奴はそうはいないぞ。


こいつは怯えてないんじゃない。
怯えているからこそ、
おそれているからこそ、
ここまで的確な対応ができるんだ。



そして僕は銃器を素早く両手で使おうとするが、剣撃の時と同じように、僕の速さに彼はついてくる。
ここにきて、足技が増えてきた気がする。 サバット……だったかな。
拳銃が彼の蹴りにより弾かれる。
これだけの数の拳銃に装弾するのに結構苦労したのに、彼にどんどん分解されていく。


ひゅぅー、と小さく口笛を吹く。さて、次はどうしようかな。

「そうか、多丁拳銃(これ)でもきみの命は殺せないのか」


ちょっと時間稼ぎしようか。


「じゃあ手榴弾(これ)だ」

爆殺。

僕は手榴弾を二つ、彼の前に投げた。

「〜〜〜〜〜〜っ!!」


とはいえ 僕はこれできみを殺せるとも思っていないよ。
ほら、さっさと蹴り飛ばしてみせな。
僕の時間稼ぎのために。


「ぐっ… しかし爆弾なら…、雲仙先輩とのバトルで勉強済みだ!!」

彼は二つの手榴弾を蹴り飛ばし、近くの池に落とす。
手榴弾は水柱と大きな音を立てて池で爆発した。

「いい加減にしろよお前! 戦争でもしてるつもりか!? 争いは何も生まねーぞ!!」

「いいよ、何も生まれなくても。全てを殺せればそれでいい」


ひゅぅー、ともう一度口笛を吹く。今度は少し長く。


蹴った後の体勢の彼の後ろに僕は近付いた。

「!?」

僕はナイフを持って、彼に刺すモーションをする。

「なっ……、ぐ」

彼はナイフを手で弾こうとするが、ナイフには届かない。そして三回、パンッと言う音が続く。

「「一体何が!?」」

「あれはナイフ・ピストルだよ」

外野が騒がしいね。
そうだよ。真黒くんのいう通り、僕がさっき使ったのはナイフ・ピストル。ナイフのグリップ内部に装填された22口径弾を刃先方向に発射するものだ。装弾数は3発。だから三回鳴ったんだよ。
本当はスペツナズ・ナイフを使うつもりだったんだけど、さすがに出すのは止めたよ。失敗した時に、飛んでいった刃先を探すのは嫌だからね。




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