『ねーねー』
「何?輝」
突然語りかけてきた輝にそう返す。
『研磨はさ、夏といえば何を連想する?』
「……何その下らない話」
『酷〜い、ぐすん』
嘘泣きしたってすぐにバレるんだけど。何年一緒にいると思ってんの。
『ちっ』
「舌打ちしない」
『お母さんか』
今すごく不愉快なこと言われた気がするんだけど。
「はぁ……」
『ため息したら幸せが逃げちゃうよ、研磨』
誰のせいだ、誰の。
『で? 研磨はどう思うの?』
「暑い」
『いや、もっとさ……』
「だるい」
『もー、海とかプールとかさ、』
「水着」
「『!?』」
後ろから聞こえた声に二人ともびっくりする。犯人はやはり、
「やっぱり夏は水着だろ」
クロだ。
『クロの変態』
「何想像してんだよ。安心しろ、お前の水着姿を見たって何も感じねーから」
いや、クロも想像してるから。
「……取り敢えず、スイカ食べたい」