「 好きだ 」
『 … 』
とんでもない所に出会してしまった俺はどうしたらいいのだろうか。
取り敢えず物陰に隠れた俺はそこで考えた。
というかあいつが告白されてるなんてあり得ないだろ。
あいつは小さい頃いっつも、けーちゃんけーちゃんとか言って俺の後ろに付いてきてたのに。
とにかくあいつが告白されるなんて絶対ない。
あいつが可愛いのは認める ドジで天然で笑う顔が可愛い。
普段はブスだなんて正反対な事を言ってしまうのは俺の性格のせいだ。 そのせいであいつの笑う顔が歪むのだ。
あいつ いつまで俯いたままなんだよなんか言えよ。
物陰からもう一度覗いてそう思う。
『 … ごめんなさい 私、』
「 何でっ!? 」
『 す、好きな人が …います 』
初耳だ あいつに好きなやつがいるなんて。 誰だ 王様か? ちびっこか? まさか山口か!? いや先輩もあり得る。
「 そっか… 」
『 本当にごめんなさい 』
「 俺もごめん 」
そういった男子は教室へと帰っていった。 だけど俺の頭の中はあいつの事で一杯だった。
ここに居たくなくて俺も歩き出そうとするときだった。
カラン
『 誰? 』
何でこんな時にこんな所に空き缶が落ちてるんだよ。
めんどくさいな。
「 俺だけど 」
『 けーちゃん!? な、何で 』
「 お前 好きなやついるんだって? 」
『 さっきの、…聞いてたの…? 』
俺だった事に驚いている輝の顔があまりにも面白くて少し意地悪に聞く。
「 誰? 」
『 え、…あの 』
「 それともさっきのは嘘だったとか? 」
だから言えないんだろ と言うと バッと此方を見て輝は
『 嘘じゃないよ!! 』
と言った。
いつも輝とは考えられないくらい必死な姿に今度は俺が驚いた。
「 …へぇ 」
『 私が…好きなのは けーちゃんだよっ!! 』
けーちゃんしかいないの
顔を真っ赤にして言う輝は物凄く可愛いくて
「 ふーん… 俺も輝が好き 」
ボソリと呟いたけど俺も顔が赤くなるのが分かった。
2014.06.15加筆修正