『 ねぇ、岩泉先輩のTシャツ 』

「 それは言わない方が… 」

『 でも気になるよ親治くん 』

「 気にしない方向で 」

『 え〜 』

「根性論」と達筆な字で書かれたTシャツを着ている岩泉にどう突っ込むべきか輝は近くにいた渡に聞いたのだが一蹴された。

『 国見くん 』

「 ……何ですか 」

『 そんなあからさまに嫌な顔しないでよ 』

間を空けて返事をした国見は本当に嫌な顔をしていた。


「 …十人十色って言うことじゃないですか 」

『 ふーむ… ま、良いか はい 』

「 ? 」

国見の目の前にグーを突きだす。

『 いらない? 塩キャラメル 』

「 Σ いりますっ!! 」


いつものやる気の無い国見の顔が一変した。




「 何の話〜? 」

『 クソ川先輩 岩泉先輩のTシャツ どう思いますか 』

「 輝ちゃん酷いよ …岩ちゃんのTシャツ? 」

面倒くさい奴が来た と会話をしていた渡と国見は思う。 「 あ〜 …独創的だよね
(笑) 」

『 (笑)ウザいですクソ川先輩 』

「 なんか腹立ちます 」

「 …右に同じく 」

上から輝、渡、国見の順に及川に突っ込んだ。


「 ちょ!? 俺、Tシャツの感想言っただけだよ? 」

酷いよ 先輩になんてこと言うの!? と及川は反論した。


「「『(どうしよう、殴りたい…)』」」


三人は共通してそう思うのだった。







▼金田一(らっきょ)くんに聞いてみた


「 岩泉さんのTシャツっすか? 」


『 そうそう、 どう思う? 』

「 すごく かっけぇと思いますっ!! 」


『 そ、…そうυ 』




男の子の感性ってよく分からないと痛感した輝だった。