※ハイキュー!!七巻の第60話「進化」の及川さんと岩泉さんがケンカしてる場面に夢主がいたら











「 ―明日も同じく 8時半集合 以上 」

「「 ありがとうございました」」

「「 したーっ 」」


部活終了のあいさつを終えたバレー部員はぞろぞろと体育館を後にする。

「 及川は? 」

「 まだ残るって 」

「 今日荒れてたしなー 」

「 あいつ ホント好きだよな バレー 」

「『 … 』」

「 見てるこっちがしんどいくらい 」

他の部員が今日の及川の事について話をしているのに輝と岩泉は黙っていた。




『 岩泉先輩 …私 』

「 …様子見に行くか 」

『 !? はい 』



体育館の扉を開けるとサーブの音が聞こえた。
集中しているのか及川は二人に気付いていない。

「 ……… 」

ドッ とバレーボールが床に当たる音がした後、


「 及川さん 」

「『 ! 』」

まだ体育館に残っていた、後輩である影山が及川に話しかけた。


「 サーブ 教えて下さい 」


そう影山が言ったのを聞いた及川は途端に、拒絶するように自身の左手を振り上げようとした。
寸での所を岩泉が及川の腕を掴み影山に当たるのを防いだ。

「 落ちつけ このボゲッ 」

「 ――… …… ……ごめん 」

我にかえった及川に輝はホッとする。


「 ―影山 悪いけど今日は終わりだ 」

「 あ…はい 」

『 ごめんね 』

「 …いえ 」

影山は荷物をまとめて一礼すると体育館から出た。


ガラガラ… ダン


体育館の扉が閉まると岩泉が口を開く。


「 ―今日の交替は おめーの頭冷やす為だろうがよ
ちょっとは余裕持て 」

その言葉に及川は切羽詰まる様子で言った。



「 今の俺じゃ白鳥沢に勝てないのに 余裕なんかあるわけない!! 」

「 俺は勝って全国に行きたいんだ 勝つ為に俺はもっと 」

ブチッ 岩泉のキレる音がしたのを輝は聞いた。


「 ゙俺が俺が゙って ウルセェェェ!!! 」

『 先輩!! 』

及川の頭にぶつかる鈍い音がした。

「 ンガーッ!? 」


突然の事に驚いた及川の顔は見物だったと輝が後輩に語ったのはまた別の話。


「 !? !!? 」

「 てめえ一人で戦ってるつもりか 冗談じゃねーぞ ボゲェッ 」

岩泉の額はじんじんと痛む しかし、それを気にせずに続ける。

「 てめーの出来が=チームの出来なんて 思い上がってんならぶん殴るぞ! 」

『 私もですっ!! 』

「 もう殴ってるよ!! そして輝ちゃん酷い 」

ボタリと及川の鼻から赤い液体が溢れる。

「 一対一で牛島(ウシワカ)に勝てる奴なんか北一(ウチ)には居ねえよ!! けど 」

「 !? 」

「 バレーはコートに6人だべや!! 」



及川に掴みかかったまま岩泉は言う。

「 相手が天才1年だろうが 牛島(ウシワカ)だろうが
゙6人゙で強い方が 強いんだろうが ボゲが!!! 」
言い切った岩泉は肩で息をする。

「 …「6人で強い方が強い」 ………ふ 」

『 ? 』

「 ふ…ふふふ… あ――… 」

及川の様子が変わったのを感じた。

「 スマン強く 頭突きすぎたか大丈夫か!? 」

『 すごい音がしてましたよ 』

先輩は石頭ですね と輝が答える。

「 はァ〜… うん…何か なんだろうなコレ…

俄然無敵な気分 」


『 ふふ… 』

もとの及川に戻ったのが分かると輝は笑った。


「 ていうか岩ちゃん 悪口゙ボゲ ゙しか言えないの? 」

「 右からも鼻血出してやろうか 」

『 じゃあ私がストレートパンチをお見舞いします 』

「 二人とも酷いっ!! 」


でも、…ありがとう輝ちゃん と頭をポンと触る及川の笑顔は忘れられない物になったのだった。