「 なー 」

『 どしたクロ 』

「 …何 」

黒尾の家のリビングに三人はいた。
研磨はスマホでゲーム、黒尾はジャンプを読み、輝はソファーで月刊バリボーを読んでいた。
何の会話も無い事に堪えきれなくなった黒尾は二人に話かけた。

「 俺らって いっつも三人一緒だよな 」

『 あー、 そう言えば 』

「 …そうだね 」


黒尾の言っている「いっつも三人一緒」は黒尾、研磨、輝の三人が幼馴染みであることに所以する。
幼い内から何をするのも一緒だったから三人の両親も、まるで兄弟みたいだと言うくらいだ。
気が付けば傍にいるのが三人の中で当たり前になっている。


『 つか 何でそれ言い出したし 』

「 え? 何となく? 」

「 …何となくで俺のゲーム中断させないで 」

『 クロが研磨怒らせたー 』

「 あ、 悪い 」

黒尾の先程の発言でゲームを中断した研磨は口をとがらせて怒る。

「 レア、…逃した 」

『 どれどれ? あっ!! このレア持ってるよ 』

研磨のスマホの画面を覗き 中断したゲームを輝が見てそう言った。


「 本当!? 」

『 うん 研磨にあげようか? 』

「 …良いの? 」

研磨はレアアイテムをくれると言う輝に恐る恐る確認する。

『 良いよ 私、もうそのゲーム飽きちゃったし 』

「 お前 飽き性だもんな 」

こないだは擬人なんとかってやつ飽きたっていって止めてたよな と黒尾が言う。


『 うっさい クロ じゃあ研磨後で送る 』

「 うん、 ありがとう輝 」

滅多に見せない研磨の笑顔の方がレアだと輝は思うのだった。


「 輝、 光って誰だ 」

『 何の話 』

「 お前がやってた擬人なんとかのやつの名前 」

黒尾は輝のやっていた携帯ゲームの話を掘り下げる。

『 ジャンプ読んでて気づかないクロすごい 』

「 …あれ、 蔵は? 」

『 研磨それめっちゃヒント言ってる 』


「 お前まさか!? 」

▼黒尾は何かに気付いたようだ。
「 …俺、四天宝寺結構好き 」

『 研磨 四天宝寺の部分、私の名前入れて言って 録音するから 』

「 お前!? 俺というものがありながら 浮気か 」


『「 死なすぞ 」』



オチなんて期待してない