アヤト [3/21]
*DIABOLIK LOVERS
夢主が侍口調
「そーいえばさ」
「どうしたでござるか?」
「今度また居候がくるらしい」
逆巻邸の無駄に広いリビングでたこ焼を食べながら、アヤトは遊びに来ていた雪路に話しかけた。
「なんと!? それはまた急でござるな」
「あぁ」
雪路はアヤトの隣に座り、手にしていた湯飲みをテーブルの上に置いた。
「しかし……此度の女子(おなご)はどのような人物でござろうか」
「胸のでかいやつ」
「アヤト殿は破廉恥でござるな、ライト殿よりはマシでござるが」
当たり前だ。あんな変態と一緒にしないでもらいたい、とアヤトは思う
「それに、拙者はどんな『人物』かと聞いたのでござるよ? そのような身体的特徴ではなく」
「別に、前と変わんねーだろ」
最初は嫌がるくせに、虜になると媚を売ってきやがる……。 とアヤトは続ける。
「そうとは限らないと思うでござるよ」
「はぁ? どっからその考えが出てきたんだよ」「勘でござる」
「勘!?」
「そうでござる。しかも拙者の女の勘でござるよ」
あぁ、そういえばこいつ女だったな、いつも変な口調だからかそんな風には見えなかったせいだ。
「じゃあその勘とやらが当たってたら俺様が何かしてやるよ」
絶対に当たるなんて思ってなかったからアヤトはそう答えたのだった。
――その勘が当たるとも知らずに。
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