終わセラ ミカエラ♀成代 [11/12]
終わりのセラフ6巻22話135ページから
※ミカエラ♀成代の一人称ですが、優一郎だけの前や独白の時に「私」で他の時は「僕」です。
「まさか吸血鬼の女王が、禁忌の研究《終わりのセラフ》に手を出してるなんて〜。あんなものに触れていったい女王は何が欲しいのかな〜?」
私の後ろに隠れながらフェリドはそう言う。いい加減肩に触るのは止めて欲しい。声は良いのにな。
クルルが私の後ろにいるフェリドを睨んでいる。ちょっと怖い。
「あは、そんなにかわいい顔でにらまないでよ。ドキドキしちゃうから」
変態かお前は。
「もちろん優ちゃん逃がしちゃったのは僕だから、バレたら僕も処罰されるけど……」
でもこいつが優ちゃんを逃がしていなければ、優ちゃんは助からなかっただろう。
「あれ! あれあれ、それってつまり。僕らは秘密を共有した仲間ってことじゃないの?」
フェリドはガシッと私の肩を掴んだ。痛い。てか触んなし。そして前へ出てきてクルルに左手を伸ばす。
「やったー、やっと僕ら仲間になれたねー♪」
フェリドはニッコリと笑っている。
けれどクルルは答えない。
「手を握れ。そして僕に陥落しろよ、クルル・ツェペシ」
うわ何こいつキモい。目がイッちゃってるよ。
「なんちゃって♪」
そしてまたさっきの顔に戻った。
「じゃあ今日はこのへんにしておこうかな。間違って殺されるのもいやだし。でもまた来るから」
フェリドは私の後ろに立ち、私の腰……より下の位置をパンと叩いた。は? どこって……、そんなこと聞かないでくれる? 変な声が出そうになったじゃん。
「次は仲良くしてね〜♪」
そう言ってフェリドは去って行った。私はそれを横目に見るだけだった。
★おまけ
『はいカットー!!』
『OKでーす』
ミ「はーい」
ク「はいっ」
フ「はーい」
ミ「ちょっと変態(フェリド・バートリー)、真似しないでくれますか?」
フ「え〜っ、真似してないよ?」
ク「真似してたー」指差し
ミ「ほら、クーちゃんも言ってますよ」
※舞台裏でクルルはミカエラ♀からクーちゃんと呼ばれている。
※しかもクルルは子役なので役以外の時は性格も変わります。
フ「ちょっ、二人とも酷い!?」
ク「ミカ姉、あっちで優兄が撮影って言ってたー」
※ミカエラ、優一郎、クルルは同じ事務所の子役
ミ「本当っ!? 行かなきゃっ」
フ「僕、先輩だよ!?」
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