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「あい分かった。雪路の言伝ては俺が承る」


「ありがとうございます。宗近さん」


伝えて欲しいという言葉を俺に残した雪路の顔は安心しきっていて、それがとても悲しかった。微笑みながら消えていった雪路のことを、どうしても忘れられなんだ。
だからこそ彼女の言ったことを本丸の刀剣たちに伝えてやらねばと思った。

主ではないと見放され、傷つけられ、果てには死んでしまったというのに、雪路はそれを恨むことなく、あのような言葉を本丸の刀剣たちを想って残したのだ。


もっと早くに雪路と出会うておれば、何かが変わっていたのだろうか。





俺は本丸に足を踏み入れた。

「さて、物見を放とうにも見つかってしまえば必要ないか」

俺の神気を察知した刀剣たちが現れて、刀を向けている。

「はっはっはっ。…………すまぬが今は気が立っておる。こんなじじいでも、甘く見てくれるなよ」


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テーマ「人外ファンタジー」
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