ユーリ [5/5]

きれいなものが見れなくなった。
きっと私の心が汚れているから。

あの子を見るのが嫌になった。
きっと彼のことを好きだから。

あなたの傍にいられなくなった。
きっとあの子が傍にいるから。

涙が枯れて流れなくなった。
きっと私の心が枯れているから。

世界の音か聞こえなくなった。
きっと私が耳をふさいでいるから。

私の鼓動か止まった。
きっと私の心臓が疲れてしまったから。



「雪路っ!?」


最後に見たのは愛しい人の泣きそうな顔だった。
きっと本当は私は愛されていたのかもしれない。
だって――




「死ぬなよっ!! 俺はお前が」

「お前がいないと……」


ごめんなさい。
もう喋れないの。

大好きだった。
ずっとずっと思ってた。

『ユ…リ……』


゛愛してた








この世界全て消え去っても、
私はあなたが好きだよ。








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