アヤト [5/21]
*DIABOLIK LOVERS
夢主が侍口調
「アヤト殿」
「なんだよ」
「拙者、気になっていることがあるのでござる」
雪路は何やら真剣な表情でアヤトを見る。
「あ? ……言ってみろよ、俺様が直々に聞いてやる」
上から目線なのが気になるが、アヤトの性格ゆえ仕方がないので雪路は口を開く。
「ずっと以前から聞こう、聞こうと思っていたのでござる……
もしかして、アヤト殿はネクタイが結べないのでござるか?」
随分と間をとってそう言った雪路。
「はあぁぁっ!? お前、何いってんだ」
何を言い出すのかと思いきや、まさかネクタイのことを言われるとは思わなかったアヤトはそう言い返す。
「拙者、1年の頃からそれがずっと気になってしょうがなかったのでござる」
「しょーもねぇこと気にしてんじゃねぇよ。馬鹿かお前」
「ではアヤト殿はちゃんとネクタイを結ぶことができると?」
ズイッ とこちらに顔を近づけてくる。顔が近すぎる。ただでさえ可愛い?顔をしている雪路であるから、アヤトは顔を背ける。
「うるっせぇっ。お前、顔近ぇよ」
アヤトは自分の顔が少し熱い気がした。
「拙者はネクタイを結べるのか否かを聞いてるのでござる!!」
「結べるに気まってんだろ。なにしろ俺様だからな」
実は結べるかどうかも定かではないが。
「では何故」
「しつけーなっ!?
ファッションだっ!!」
あまりのしつこさについにアヤトは叫んでしまうのだった。
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