シュウ [4/21]
*DIABOLIK LOVERS

夢主が侍口調





「シュウ殿〜?」

「……」

「ちょ、痛いでござろう」

「……うるさい」


今、逆巻家の長男である逆巻シュウと弟のアヤトの友人?である雪路が何をしてるかと言うと、屋上で寝転んでいた。問題はその寝方である。シュウは彼女を抱き枕のように自分の腕の中に収めていた。ちょうどよい身長差がジャストフィットして彼の眠気を誘う。彼女は少し窮屈そうにしている。


シュウと雪路が最初に出会ったのは音楽室だった。彼が音楽室で寝ている時に雪路が忘れ物を取りに来たのがそもそもの始まり。それからこうして時々会うようになったのだ。


「休み時間はとっくに過ぎてるでござるよ。拙者、授業を休む訳には」

「……」

文句を言う雪路を気にせずに寝息をたて始めるシュウを見ると文句を言う気も失せてしまう。

「……シュウ殿」

雪路は再度、名前を呼んでみる。

「……あんたは俺の抱き枕だ」

「っ!?……拙者はお断りでござる!!」

後ろから抱き締めるような体勢の為、雪路の首元に彼の吐息がかかる。


「あんたがいると俺はよく眠れるんだ」

「そんなこと知らないでござる!! とにかく拙者は」

「行かせない」

ぎゅうっ、と雪路を逃がさないように強く抱き締める。これが他の女子ならばキュンとするのであろうが、雪路には効かない。

「はーなーしーてっ!!」

「いつもの口調はどうした」

「はっ!? なんたる失態、よもやこのような事で拙者が動揺するとは。……くっ」
時折、雪路が見せる反応が面白くてシュウはよく彼女を弄る。


「あきらめて俺に抱かれてろ」

「破廉恥ーっ!!」

シュウの言葉を聞いた雪路が叫ぶとダダダッ!! と足音が聞こえてきた。そして屋上の扉が開かれる。


「おいっ!! てめぇ、俺様のダチに何してやがる」

登場したのは逆巻家の暴君、三つ子の長男の逆巻アヤトであった。

「あっアヤト殿、拙者をここから出して欲しいでござる」

「はやくそいつを離せ!!」

「はぁ……めんどい」










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