白猫は、まるで案内をしているようにチリンと首輪の鈴を鳴らし先頭を歩く。
「 しかし、久しぶりよの。主が来るとは 」
にゃー
「 なんと……。待ちわびておったか 」
先程から刑部は誰と喋っているのだ!!
「 刑部 」
「 如何した? 」
「 一体誰と喋っている 」
「 おぉ スマヌ その白猫とな 」
今、刑部はなんと言った?
……白猫と だと!?
そうこうしているうちに屋敷の塀が見えてきた。自分の屋敷にも、というか殆どの屋敷には塀はあるだろうが、見えてきた塀には。
「 相も変わらず壮観よなぁ 」
にゃー
ぶにゃぁ
にぃ
猫だらけの塀など誰が見ても驚愕するであろう。
数えること数匹 我が物顔で寝転び昼寝をしている猫も居ればこちらをじぃーと睨む猫も居る。
「 なんだこの猫の数は!? 」
フシャァァ!!
「 やれ、三成。大声を出すでない。 主も聞いていたのであろう? 」
大声に驚いた猫達が一斉に威嚇し始める。
「 何をだ 」
「 門兵が話していたことよ 」
猫屋敷の猫武将
そう話す刑部の膝にはいつの間にか三毛猫が乗っていた。
2014.06.15加筆修正
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