*黒猫視点






生い茂った木々の隙間を枝を伝って物音も立てずに動く黒い影が一つ。
雲の隙間から一瞬だけ月の光が漏れる。 そしてその黒い影が照らされる。
そこにはまだあどけない少女の姿があった。
黒い装束を身にまとい、頭に猫のような耳のついた頭巾をしていた 頭巾も当然ながら黒である。
少女の名は黒猫、橘纏に仕える忍である。
黒猫は今、その纏の命で任務をしていた。 『豊臣に仇なす者を探し出すこと』 それが黒猫に課せられた命だった。


「 …早く 主の元へ 」



主である纏の為に、黒猫は命を掛けて任務を遂行する事が絶対だと考えている。
幼い頃捨てられていた自分を保護して世話までしてくれた纏の為に少しでも恩誼を返すためだからだ。

「 私は纏様の為だけに存在している 」


はっきりとそう言った黒猫は気配のしていた茂みへと取り出したクナイを投げた。
すると、隠れていた人物が現れた。
それは



「 あっちゃー バレてたか 」 緑と黒と茶色の混ざった迷彩柄の忍装束をまとった 武田軍 忍頭、猿飛佐助だった。




2014.06.15加筆修正




prev next





「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -