受け取った文を広げて纏は目を通す。
ある程度読んでから顔を上げて口を開く。
『 茶会に招待されたみたいだ 』
「 茶会!? 」
『 しかもちゃんとした着物でないと此方で用意する。 と書いてある 』
「 何故半兵衛様は招待状など 」
気に入らない三成はそう言った。
『 動きづらいのは嫌いなんだが…… 』
仕方ない この間登城した時に軍師殿に言ってしまったし それにしてもなんで茶会なんて開くのだろうか。
「 男の服装の癖に何処が動きづらいと言うんだ 」
「 あ、いや 三成様 」
左近は三成の誤解に気付いた。 弁解しようとする左近を止めて纏が口を開く。
『 治部殿は私が男に見えるか…… 』
「 違うのか? 」
何を言っているのだ と三成は真面目な顔をした。
「 三成様 橘は、 」
「女」だと 左近は言った。
すると三成は石のように固まってしまった。
「 あちゃー ……どうすんだよ纏 」
『 取り敢えず屋敷に上げようか こんな所にいたら猫に埋る 』
2014.06.15加筆修正
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