ザッ と草を押し倒すようにしてみると
目の前には 丸い円の中に模様の描いてある落書き。
茶色い土の地面に描かれた陣があった。
ガサッ と草の音がしてニャンコが現れた。
「 どうした 夏目、夢萠 」
「 わっ… 」
ビクリとした夏目くんはニャンコをの名前を呼んだ。
「 見ろ 夏目 トンボを捕まえたぞ 」
「 二匹目だね 」
ニャンコは口にトンボを二匹繋いだ紐を加えていた。
「 え… 二匹目?
食べるのか 」
至極真面目な顔て夏目くんは聞いた。
「 阿呆、 放して恩を売るのだ …む? 」
トンボに恩って …どうしろと言うのか。
「 何だこれは 見たことない陣だな… 」
はっ
何かに気がついたのかニャンコはこう続ける。
「 まさか 宇宙人と交信する系のサークルか!? 」
「 そうなの? 」
「 うわっ 専門外だな 」
二人と一匹?、はどきどきしていた
その時 幽かに ガリ… と、地面に棒で字を書くような音がした。 二人は振り返り 音がした方を向く。 そこにはキャスケットを被り、長めのコートを着ている人物がいた。
ガリガリ と熱心に何かを書いている。
「 おい 何しているんだ 」
夏目くんが問いかけると その人物は振り向いた。
振り向いた人物は 私がよく知るあの子だった。