とぼとぼと学校の帰り道を歩いている時に 私は見つけた。

大きな白いかたまりを。

よく見ると それは猫だった。
珍しい柄で目や口元に赤い模様があった。

「 ニャンコ…? 」

「 ニャンコではないっ!! 」


私がニャンコと口にすると どこからかそれを否定する声が聞こえた。
何だ今の声は と疑問に思って辺りを見回した。 しかし、それらしき人は見当たらない。

「 今のは… 」

「 阿呆 目の前におるではないか 」

「 え… 」

まさか と思った

「 おいっ 先生!! 」

私の後ろから男の子の声がしたので振り返る。

「 おぉ 夏目か 」

「 人前で喋るなってあれほど… 」

声の主は夏目くんだった。
夏目くんはこのニャンコと一体どういう関係なのだろうか。
先生と呼んでいたけれど

「 この娘 見えてるぞ 」

「 そうなのか!? 」


夏目くんは 私を見てそう言った。


「 …そうだよ 」



言うべきなのか迷ったけど
喋る猫がいて、夏目くんもいる時点で、私はもう決めた。







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