ぐでたま×シュウ=ぐでしゅう




「……兄さん?」

「ああ、……何だスバル」

兄さんの部屋に行くと、そこには可愛いぬいぐるみがいた。しかも兄さんの声で返事をした。

「なんでそんなことになってんだ」

「は? なにが」

「なんで兄さんがぐでたまになってんだよっ!! 確かに似てるけど……」

「なにそれ」

黄色い体でゴロンと転がる兄さん。可愛い……、じゃねぇ。というかイヤホンしてるし小さな水色のカーディガン着てるんだな。可愛い。あ、……悪いか? こう見えて可愛いもの好きなんだよ。部屋の一角にはぐでたまがいんだよ。可愛いすぎなんだよ。

「鏡見るか? 見えるのか分からないけど」

偶然、ユイが落としてた手鏡を拾ってポケットに入れたままだったんだ。

「……なにこれ」

「ぐでたま」

鏡に映る姿を見ることのできた兄さんは少し動揺していた。

「で、なんで俺がこんなことになってる訳?」

「いや、俺に聞かれても」

「まあ、いいや。これ、お前が好きなやつだろ?」

「……うん」

中々にシュールな光景だ。兄さんだけに。

「今なら抱き締め放題だけど、……どうする?」

「抱っこするっ!!」

ベッドの上のぐでたま、もとい兄さんをコンマ数秒で膝の上に乗せた俺は偉いと思う。

「ぐでしゅう……だな」






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