03

ベットで寝ていたら、頬に何かが触れた気がして片目を開けた。一体何だっていうんだ。

「シュウ兄さん」

「ユキトか」

俺の頬に人差し指をあてるユキトがそこにいた。

「ただいま」





そういえば、帰ってくると手紙が来ていたな。あいつらには内緒で、と書いてあったが書いてなくても伝える気は毛頭ないから他の弟達は驚くだろう。

「三つ子を驚かせてきたよ。でもレイジ兄さんには途中で見つかって、晩餐だからシュウ兄さんを呼びに行くように言われたんだ」

あ、でもスバルは見てないや。

そう言いながら、ユキトは起き上がった俺の隣に座った。

「棺桶が好きだからな、あいつ」

「はは、ヴァンパイアらしくて良いよ」

「狭すぎて寝れない」

棺桶で寝るあいつの気がしれない。どこでも眠れるが、棺桶だけは嫌だ。


「シュウ兄さんのベットは寝心地良さそうだね」

「ん、……寝るか?」

自分の部屋のベットだけは特別で、一番眠れる。
ユキトは手をベットに置いて考えるが、すぐに答えを返した。

「今日は遠慮しておくよ、レイジ兄さんに怒られるからね」

「面倒だな」

あいつに小言を言われるのは面倒だ。無視はするが、いつまでも言ってこられるのも嫌だ。

「じゃあ、行こう」

「そうだな」

「スバルの部屋にも行かないといけないし」



あいつの驚く顔が楽しみだ。




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