クリスタ成り代わり2
告白編


「ユリア」

「お兄様?」

私の部屋にやってきたお兄様は少し機嫌が悪いみたいでした。

「お前に縁談がきていると聞いた」

「あ、それは……」

「何故、私に黙っていたんだい」

どうしてそれをお兄様が知っているんですか。
どうしてお兄様がそんなに怒っているんですか。
どうしてそんなに辛そうな顔をしているんですか。

まるで私のことを想っているみたいではありませんか。

「……お兄様」

「よく聞いてくれ、ユリア。私はお前を愛している」

私の肩を掴み、お兄様は真っ直ぐ私を見てそう言いました。

「もちろん、妹としてではなく、一人の女性としてだ」

「……え?」

「私はお前が欲しい。他の男のものになるくらいなら私はお前を今ここで」

私を離さまいと強く抱き締めたお兄様は 必死でした。

「お兄様、いえ……カールハインツ様」

貴方がこんなにも私のことを想っていたなんて、知らなかった。
私と同じ気持ちだったなんて知らなかった。

「……ユリア?」

私はカールハインツ様の背中に腕を回して名前を呼んだ。

「……ずっと、ずっと。私もカールハインツ様が好きでした」

多分怖がっていたんです。叶うはずがないと諦めていたんです。

「ユリア」

「愛しています、カールハインツ様」


ずっと言えなかったことがやっと伝えられた。




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