Repulsion
・不老長寿主でストーカー撃退
・シュウとユーマ
・娘6才、息子5才設定
目の前に広がるのは、手紙の束や衣服、アクセサリー、宝石、何かよく分からない禍々しいものたち。これらが送られてくるようになったのには理由がある。
それは1ヶ月前まで遡る。
―1ヶ月前
「ママ」
「……何?」
「ママはパーティーにでないの?」
ヒカルを膝に載せて絵本を読んでいたユリアは、娘のルイに疑問を投げ掛けられる。
「出ない……よ。何で?」
「だって……その、」
ルイはモゴモゴと口を動かしながらユリアを伺っている。
「あのね、かあさん。……ルイねぇは、いっしょがいいんだよ」
いままで無言であったヒカルが口を開いて下からユリアを見上げている。相変わらずの、死んだ目である。
「そうなの?」
「うん」
「ちょっと、ヒカル!? もう……あのね、だから、パーティーにいっしょででたいな」
「……出ても良いけど一回だけだよ。(期待の篭った目をされてる……)それに、ルキとか他の奴の反対がなければだけど(無理だろうな)」
「本当!?」
ルイの顔はパァッと明るくなった。どうやら後半の言葉は聞いていないようだ。
「だいじょうぶ。……ルイねぇが、ルキとうさんにこびをうれば」
「……(五歳児の言葉じゃねぇ)」
「聞いてくるっ!!」
そう言ってルイは自分の父親のもとに走っていくのだった。
ユリアは嫌な予感を確信していたが、可愛い我が子のお願いを断れなかった。
そして出席した結果、ユリアは注目の的になり、彼女の美貌に心を奪われた貴族達がストーカー化したのである。
―それ以来、ユリア宛てに大量のドレスやら花束やら、手紙やら宝石やらが色々届くようになったのだった。
「よくやるな……」
ユリアはため息を吐く。
「つーか、これまた廃棄処分に回されんだろ」
手紙の束を掴んでそう言っているのは、今日の護衛役であるユーマだ。
「めんどい」
そして同じく、護衛役のシュウ。
「ま、こんなことは今日、明日で終わるだろうけどよ」
「?」
「……なんか、あいつらが言ってたな」
「ご丁寧に名前とか家紋とか付いたもんを寄越した奴らは、片っ端から"殺る"ってルキとかが息巻いてたし、わかんねぇのは探し出し次第『処刑』らしいぜ?」
くくっ、と笑うユーマはまるで悪人のよう。
「……(御愁傷様としか言いようがない)」
「ま、あんたが心配するようなことじゃないから、……安心すれば?」
「ニートの言う通りだ。ユリアはガキ共と一緒に居て、笑ってりゃそれで良い」
「そう……(なんかユーマがまともなこと言ってるのに違和感が)」
これから処刑(根絶やし)されるであろうストーカー達に少しの哀れみを持ったユリアは、とりあえずルイとヒカルに危害がないことが分かると一安心するのであった。
@@後書き@@
・直接的なアクションが無くてごめんなさい。
・守られてる状態だし、多分カールが屋敷に入れないようにしてるから←おい
・ユーマにならこのセリフが似合うだろうと思ったのでユーマに。シュウは好みです。
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