What is anything you want?
・清廉潔白高潔無比な天使主シュウカルラ。※諸事情によりレイジが出ます。




心が清らかで私欲がない。
人格が気高く、私利私欲に心を動かさない。
他に比べるものがない。

それが 彼女だ。

さて、そんな彼女に惹かれた若いヴァンパイアが二人。今日も彼女をめぐる争いが勃発していた。



「貴様、その手を離せ」

「いやだ。何であんたの言うことを聞かないといけないわけ?」

「それは貴様にユリアが相応しくないからだ」

「あんたも人に言えたもんじゃないだろ」


目の前で繰り広げられる二人の言い合いにユリアはため息を吐いた。

「すみませんが、私はこのあとに用事がありますので、手を離してもらえませんか」
シュウに向かってそう言うユリアは、腕時計を確認してこのあとの予定を考えていた。


「買い物か?」

「ええ、まあ」

「私が買ってやる」

「何言ってんの、俺が払う」

「結構です」

ユリアはバッサリと二人の提案を切った。


「では、欲しいものをやろう」「いいです。私の欲しいものはそう簡単には手に入りませんから」

未だに手を離さないシュウが口を開く。

「じゃあ何が欲しいんだ、あんたは」


「さあ、……なんでしょうね」


ユリアは二人の様子が可笑しかったのか、クスリと笑いながら答えた。


「とりあえず、あなた方では到底無理なことです。すみません、いつまで手を掴んでるんでしょうか。離してくれませんか?」

「あ、あぁ……」


ユリアの背後に黒いオーラが見えたらしいシュウは、やっと彼女から手を離したのだった。

「ふ……、やはり貴様は相応しくないではないか」

「うるさい」

「どちらも同じですけどね」

「「……」」

ユリアの放った言葉に、二人は固まる。

「何をしているんですか、ユリアさん」
突如として、ユリアの名前を呼んだのは逆巻の次男であるレイジだった。

「ごめんなさい……、少し捕まってしまったので」

「……? あぁ、穀潰しに、月浪の長男ですか」

レイジはユリアの前にいる二人を見てそう言った。

「なんでお前が」

「気に食わないが同じ意見だ」

固まっていた二人はレイジの登場で元に戻っ……

「それは私が彼女と買い物の約束をしていたからですが、何か?」


しかし、レイジの発言により、二人は再び固まるのだった。







(さあ、二人は放って置きましょう)
(そうですね、早く紅茶のお店に行きましょう)
(ああ、そうでした。あなたの探していた茶葉を見つけましたので後でお渡ししますよ)
(ありがとうございます)






@@後書き@@
・時間が掛かっておきながらこの様ですみません(^^;)
・レイジにすべて持っていかれてしまえ。
・本当に申し訳ないm(__)m



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