It's my whereabouts next to you.
・クリスタ成り代わり、相手カルラ。カールハインツではなくカルラとくっついたら。ほのぼの甘め。クリスタ成り代わり主は、マイペースでのんびり屋。








一体どこだ、どこに行った。

目を離した隙に、忽然と姿を消した彼女を探す。気配を探ってみれば、彼女が庭園に行ったことが分かった。
まったく、アレの性分はどうにかならないものか……。のんびり部屋で過ごしているかと思いきや、いきなり外に出ることがたまにある。
私は庭園に歩を進めた。

外に出れば、一目で彼女を見つけることができた。
真っ赤な薔薇の中で一人だけ白く咲いた彼女。どうやら花を愛でていたらしい。



「ユリア」

「あら? カルラさん、どうかしました?」

どうかしたではない。いきなり居なくなっておいて、それはないだろう。

「私から離れる時は一言掛けろ」

「あら、……ふふふ、ごめんなさい」

口元に右手を持っていき微笑むユリアはそれだけでも絵になる。画家に頼んで、肖像画を描かせるべきだろうか。

「でも、カルラさんは私を見つけて下さるでしょう?」

「はぁ……」

ユリアめ。そんなことを言っても私が許すとでも思っているのか?
……許すに決まっている。


「それでも何処かへ行く時には私に言え」
「カルラさんは心配性です」

「誰の為を思って」

ムッとして答えたユリアに私もむきになって反応した。しかしユリアは私の言葉を遮った。いつものマイペースな彼女は何処へやら。そこには真っ直ぐに私を見るユリアがいた。

「私は、カルラの妻です。貴方の隣が私の居場所です」

「何が言いたい」

「私はちゃんと戻ってきますよ」

だから安心してください。


そう言って私の両手を握りながら、ユリアは微笑んだ。

「そうだな。お前は私の大切な妻だ、だが一つ約束しろ。私の目の届く範囲にいることを」

「はい、なるべくそうします」

言った側からユリアは私に向けていた視線を他のものへと変えていた。体もそちらを向いていて今にも何処かへ行きそうな程だ。両手はいつの間にかほどかれていた。

「……この私が振り回されるとは」

なんて情けないのだろうか。

「そうです!」
ユリアが突然大きな声を出してこちらを勢いよく振り返った。

「何だ」

「私がカルラさんと手を繋いで、一緒に行けば良いんです」

私の左手が彼女の右手で引かれる。

「これで心配はありませんね」

眩しいくらいの笑顔でこちらを見上げるユリアに到底叶うまい、と私は思うのであった。









@@後書き@@
・クリスタ成り代わりとカルラの組み合わせは新鮮で楽しかったです。
・ほのぼの甘め……になっているか不安ですが(^^;)
・のんびり屋さんでない気がします。




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