Kneeling down on the ground
・純粋で敬虔なヴァンパイア主が(人間を餌としか思っていない逆巻兄弟無神兄弟が嫌い)ユイを逆巻兄弟と無神兄弟から守る→嫉妬する兄弟たち。
「やはりあなた方にユイさんを任せておけません」
そう言って私の前に立って庇ったのは私より少し背の高い女の人。凛とした声は私以外の人たちの耳にも届いたようだった。私以外……、逆巻の6人と無神の4人のことだ。私が両家に挟まれて争われていた時に彼女が現れたのだ。
「誰だ、よ……っ!? ユリア!?」
「「「「「ユリア?」」」」」
彼女はユリアさんと言うようだ。
「ごきげんよう、野蛮な方たち」
「何故お前がここに」
「人をただの餌としてしか認識していないあなた方にユイさんを任せてはおけませんから」
ルキくんの言葉に答えてユリアさんはそう言った。
「そもそも、カールの話に賛同はしていませんの」
「父上の? ……貴女、一体」
「ああ、あなただけは違うと思っていたのに。残念です、レイジ」
「なっ……」
「そこで立ちながら眠ろうとしているあなたもですのよ、シュウ」
「……」
「三つ子は以ての外です。ユイさんにひどいことをしたこと、忘れたとは言わせませんよ」
「げっ(一番ヒデェのライトだろ)」
「うっ(違うよ、やっぱアヤトくんでしょ)」
「ひっ(ユリアさんに叱られた……、許しませんユイさん)」
「スバル……は、とにかく物を壊すのをお止めなさい」
「……(ユイのせいでユリアに叱られた、覚えてろ)」
「まったく……」
やれやれ、といった感じで首をふった彼女は私に振り返る。
「大丈夫ですか?」
「あ、えっと……はい」
私は彼女に見惚れてしまった。
緩くカールした長い金髪に桃色の瞳。私より背が高くて凛としている。黒のレースの入ったロングドレスは彼女の淑女らしさを引き立てていた。
「ふふ、私が来たからにはユイさんはもう大丈夫ですよ」
優しく微笑んだユリアさんは女の私でも好きになってしまうくらいに綺麗だった。
ユリアさんは私から視線を外してまた兄弟達の方を見た。
「ルキ、あなたユイさんを何と呼んでいますか?」
「そ……れは(家畜だなんて言えない)」
「『家畜』だなんて言ったら磔ですのよ」
あのルキくんがあんなに焦った顔をするなんて吃驚だ。
「ユーマも『雌豚』だなんて言ったら食用の雄豚のように去勢して差し上げますわ」
「きょっ……!?((ガクブル))」
ユーマくんは青い顔をしている。
「『エム猫ちゃん』だなんてユイさんに言うのなら私は『エス猫ちゃん』になるのかしら? ねぇ……コウ?」
「ごめんなさい((本気))」
あの顔を大事にしていたコウくんは顔を地面に擦り付けるほどの土下座を見せた。
「……俺、イブに酷いこと、しちゃった? ……ごめんなさい」
私の近くにいつの間にか居たアズサくんは謝ってきた。
「アズサくんずるい!!」
「あらあら、アズサはよく分かってるのね。」
アズサくんの場合、悪いと思っていないからなんだろうな。
「けれど、私はあなた方を許すわけではありませんの」
どうすれば良いかお分かりでしょう?
とユリアさんが言うと、皆は揃って地面に顔面をぶつけるように土下座をするのだった。動かないシュウさんはレイジさんに頭を押さえられていた。
「あの、ユリアさん……もうそのくらいで」
ひしひしと伝わる兄弟達からの私への恨みが怖い。
「ユイさんがそう言うのであれば……」
そしてユリアさんは兄弟達を土下座から解放させたのだった。
@@後書き@@
・純粋で無くなってしまってごめんなさいm(__)m
・兄弟達には毒舌で黒いオーラを漂わせながら叱っているイメージです。
・嫉妬……というか逆恨みですね、これ。
・シスターが着ているようなものに似た服を着てるかもしれない。
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