Work
・コーデリア成り代わり。カールハインツがコーデリアの成り代わりを膝の上にのせて仕事をしている風景の話。

・リヒター目線。
※リヒターが心の中でものすごく毒舌です。キャラ崩壊注意。





あんなに仕事をそっちのけで義姉のユリア様に会いに行く兄上が、仕事について話がある、と急に私を執務室に呼び出した。

今はそれに向かう途中。 一体、何なのだろうか。

兄上がいるであろう執務室の扉に手をかけて入る。

「兄上、失礼します。話しとは一体…………!?」

一礼をして顔を上げると私は驚きで固まってしまった。
なぜなら、兄上の膝に義姉上が座っていたからである。

「カールハインツ様、私はお邪魔ではないですか?」

「いいや、少しも気にならない。ああ、気になると言えば、私はキミが気になるな」
「え、……えぇ?」

驚いたままの私をそっちのけで目の前で繰り広げられるイチャイチャ振り。

「ほら、そんなに可愛い反応をしたら、私はもっとキミを困らせたくなる」


そんな言葉を吐く兄上に少し鳥肌がたった。気持ちが悪……、すいません本音が。
「兄上」

「ん? リヒター、いつ来たんだい」

「先程ですが」

「リヒターさん、ごめんなさい」

義姉上は悪くありませんよ。悪いのはそこの変態(兄上)です。

「いえ」

なんてことを言えるわけもなく、そう返した。

「それで、仕事について話があると」

「それなんだが、私が仕事をしている間、こうしてユリアを膝に乗せてやれば仕事が捗(はかど)るのではと考えたのだ」

「……はあ」

何を考えているのだろう。この阿呆な兄上は。見た限りでは仕事をせずに義姉上と話をしているだけだと私は思う。

「いえ、あの……ペンが、止まってます」
兄上の膝の上で申し訳なさそうな顔をした義姉上が言った。
捗っていないではないか。
これでは更に仕事をしなくなる。

「ユリアが私の膝にいることが嬉しくてね」

ただの変態である。仕方がない、いつもの手でいきます。

「兄上、仕事をなされないのでしたら義姉上をベアトリクス義姉上に預けてしまいますが、宜しいですか」

「リヒター、私を脅しているつもりか?」
「そう、ですね」

「ユリア!?」

私をにこやかに睨んできた兄上の顔が、義姉上の言葉を聞いた途端に崩れた。

「お仕事をしているカールハインツ様を見たいのに、カールハインツ様は私と話をしているだけで何もしていらっしゃらない。仕事が捗るからと言われて私はカールハインツ様の膝に座ったのですが……」


義姉上は天然であるのに、時々毒舌な気がする。

「す、すまない。ユリア、そんな悲しい顔をしないでくれ。今から仕事に取りかかろうとしていたんだ」

兄上、貴方は親に「宿題をしろ」と言われて「今からしようと思ってた」という言い訳をする子どもですか。
しかし、やりますね義姉上。あの兄上を慌てさせる人物など、義姉上以外でこの世界に存在しているのでしょうか。


「では、お仕事をしてくださりますか?」

「やる。絶対に終わらせる。ユリアの為だ」

「終わりになりましたら、紅茶をいれて差し上げますね」


飴と鞭も上手に使いこなす義姉上に、私は敬意を表したい。







@@後書き@@
・キャラ崩壊が酷い。
・リヒターがレイジみたい。
・うちのリヒターは大体苦労人です。
・カールハインツの手綱を取れる人として夢主を尊敬しているリヒター。
・ベアトリクスと共謀してれば良い。
「夢主」と「仕事」で利害が一致したとかなんとかで。
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