Candy and rod
スバル成り代わり


・アイドルなシュウにマネージャーとして飴と鞭を振るうif話。
・コウと同じ事務所でシュウがアイドル。・成人済み。
・長い





「いーなぁー、ユリアちゃんがマネージャーとか。俺もユリアちゃんが良いー」

「うるさい、お前は早く自分のマネージャーのとこに戻れ」

「いーじゃん」

「コウ、お前のマネージャーが呼んでたぞ」

「あ、ユリアちゃん」

マネージャーであり、俺の妹のユリアが来るのを事務所の廊下で待っていたら所属が同じ無神コウが話しかけてきて嫌々ながら対応しているとパンツスタイルのスーツ姿でユリアがヒールを鳴らしながらこちらに向かってきた。私服姿も格好良いと言うのに、スーツ姿のユリアはもっと格好良い気がする。

「兄さん、車をまわすからちょっと待ってろ。コウは自分のマネージャーに迷惑かけんなよ」

そう言って右手に持ったスケジュールを鞄に直し、代わりに車のキーを取りだして歩き去る。自動ドアを抜けて駐車場に向かうユリアを見ているとコウが呟いた。「……ユリアちゃんカッコいい。」

当たり前だ。誰の妹だと思ってる。

「お前にはすぎるマネージャーだ。絶対にやらない」

そう言い残して俺も自動ドアの方、事務所の玄関に向かった。








――車中



「今日は新曲のお披露目のライブと、あとインタビューだと。ちゃんとめんどくさがらずに答えろよ?」

ハンドルを握って運転しているユリアの斜め後ろの席に座っている俺は欠伸をした。

「あと、寝るなよ」

「ん、……寝ない」

「信用できない。この間だって大人数のトーク番組で寝てただろ。気づかれてないとでも思ってんのか?」

そうだったな。少しダルくて目を瞑ったら寝てたんだ。番組名……なんだったっけ。確か、『ドキドキ!!アイドル★暴露大会』みたいな馬鹿げたタイトルだった。
その時は隣にいたコウがなんとか俺を起こそうと必死になっていたらしい。


「ま、社長にはこの仕事が終わったら休暇をとるって言っといたからな」


ユリアはマネージャーに向いているな。飴と鞭が上手い。

「分かった」

「頼むぞ兄さ……じゃなくて、大人気アイドルのシュウ。だったな」


ライブ会場に着き、車から降りて楽屋に向かう。歩きながらスケジュールと腕時計を見て確認するユリアはよくできたマネージャーだと思う。ちなみにユリアがしている腕時計は俺がプレゼントしたものだ。黄色の細い革ベルトに銀色の長方形の時計がついている。


「楽屋ついたらスタイリストに任せとけばいい。新曲は完璧だろうな?」

「大丈夫だ」

「そうか」

ニッと笑ったユリアは可愛いかった。






――ライブ



♪コバルトに光る涙
最果ての泉で溶かし合う――………
首元に残る痕は、永遠に愛すという Message




最後のフレーズを歌いきると、客の歓声が上がった。うるさい、耳が潰れる。だなんてアイドルらしからぬことを思いながらマイクを降ろした。あんな声を聞くよりユリアの「よくやった」っていう言葉を聞きたい。


「ありがと」

そう言い残してステージを降りる。その時でさえ、観客は歓声なのか悲鳴なのか分からない声を上げた。ステージを降りると、壁に寄りかかりユリアが腕をくんで待っていた。

「お帰り。よくやったな、シュウ」

「ああ。……眠い」

ユリアの言葉が嬉しくて、だけど顔に出したくない。あんまり見せたくないからそう返した。

「インタビュー終わるまで我慢な」

「終わったら寝る」

「了解」

楽屋に戻る途中に、案外俺もマネージャー(ユリア)に迷惑をかけている気がするな、だなんて考えていたら

「あのさ、兄さん」

仕事場では名前を呼ぶはずのユリアが突然そう呼んだ。

「?」

「コウにはマネージャーに迷惑かけんなよとか言ったけど、別に兄さんは俺に迷惑かけても平気だからな」

「あ、……ああ」

俺はその時、仕事中は絶対に眠らないようにしようと決意したのだった。










@@後書き@@
・シュウのキャラソン発売日に、聞きながら書こうと考えていた話です。シュウがアイドルだったら絶対に人気だと思う。
・飴と鞭とか言いながら飴が多い。ごめんなさい。
・スバル成り代わり主が本当にイケメンすぎて辛い。とシュウが思ってればいい。
・書いてて楽しかったです。
・シリーズ化できたらな……

・こんなものでいかがでしょう。
prev mokuji next

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -