The hallway be quiet.
・天使主




「すーくん、……すーくんってば」

「なんだよ。つか、学校でその呼び方止めろって何度、も……」

「すーくんはわたしのこと嫌いなの?」

だから、それ止めてくれ。
小動物みてぇにビクビクしてこちらを上目遣いで悲しそうに見上げるユリアを見たら、怒るに怒れない。他の兄弟に見られたら、絶対俺が苛めたみたいな反応しやがるからだ。



「ふぇ……、すーくんわたしのこと嫌いなんだ」

止めろ、泣くなっ!! ここで泣かれたら俺の立場が危ない。

「きっ、嫌いじゃねぇよ!? 俺はユリアが好きだからな?」

だから泣くのは止めろ。

「本当に? すーくんわたしのこと嫌いじゃない?」

「ああ、だから泣くんじゃねぇよ」

ぽんとユリアの頭に手を置くとユリアは途端に嬉しそうな顔になる。俺はその顔が好きだったりする。

「あ〜、スバルくんったらユリアちゃん独り占めしてる〜」

「なっ、ライト!?」

「らーくん?」

現れたのはライト、そして後ろからアヤトとカナトが出てきた。

「お前、さっきユリア泣かせてただろ」
「ちげーよ!?」

「じゃあどうしてユリアの目が潤んでるんですか」

「あーくん、かーくん。すーくんは悪くないよ? 私が困らせちゃったからいけないの」

もうこいつ本当にどうにかしてほしい。
可愛すぎる。天使か。あ、……今のはナシな。


「ユリアちゃんったら、スバルくんにヤなことされたらボクに言いなよ? 助けてあげるからね。もちろんお返しは」

「「「言わせません/ねーよ!!」」」

「あーん、ひどい皆」

変態(ライト)なんかにこいつを任せられるかよ。


「ま、こいつ虐められんのは俺様だけだからな」

おい、ゲス顔してんじゃねぇよアヤト。

「ユリアさん、こんな野蛮なのは置いといて、僕とテディと一緒に帰りましょう」

ヒステリックが何を言う。

「あ、え?」

あたふたするユリアに、仕方ないから俺は手を引いて三つ子の前から離れる。


「おい、待て!!」

「待ちなよ」

「ユリアさんを返して下さい!」

「残念だったな。こいつは俺と一緒が良いんだとよ」

そう言うと俺はユリアを抱えて廊下を走った。途中、先公になんか言われたが無視した。というか一睨みしたら黙った。




「すーくん、なんで」

「お前、俺と帰りたかったんだろ?」

「……!? うん!!」

お前の言いたいこととか思ってることとかは全部分かんだよ。どんだけ一緒にいたと思ってる。


「だったらこのまま帰んぞ」

「すーくんにお姫様だっこされるの好きー」

そうかよ。
こいつといると調子が狂う。
でも、何故か心地良いと感じる俺がいた。







(…………どうせ車は一緒か)
(あ)








@@後書き@@
・スバル目線で天使主書いてみました。
・もう一生悶えてろよスバル。
・リヒター成り代わりが書けなくて申し訳ない(^^;)


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