Linear light
・不老長寿主。レイジの子供ができる話。・明るめ。夢主が少しポジティブ思考?
・一番まともかもしれない。





「いいですか? 貴女は身重(みおも)なのですから何もなさらなくて結構です。全て私がやります」



レイジは私を支え、椅子に腰かけさせるとそう言った。なんだろう、兄弟の中で一番まともだからか、レイジだと安心できた。順位で言うならレイジが一番でルキが二番目。あのゲスハインツとリヒターはランク外だ。

「ありがとう」

だからか、私は素直に礼を言えた。

「礼を言われる程のことはしていませんよ。私は貴女と貴女のお腹にいる子どもを労ったまでです」


なんだろう、案外レイジとなら上手くやっていけるような気がする。
これで、本当に私に魅了されずにいるのならの話だが。


「……うん」

「一つ確認しておきます。貴女は私が本気で貴女を愛していないと思ってませんか?」

実際そうなのでは? と私は思った。ネガティブ思考が私の取り柄だ。取り柄でもないけど。

「だってそうでしょう? 誰も本当の私を見てくれないのだから」

「まさか。父上と叔父上はともかく、癪ですが無神ルキも、そして私も、貴女のことを本気で愛しています」

私は本当の貴女の姿を未だに見れていません。それは、貴女が私に見せようとしていないからではないのですか?


レイジのその言葉にハッとした。
そうだった。私はあの時から他人に本当の姿を見られないと思い込んで、自分から他人に見せようとしていなかった。

「……でも、私は」

長きに渡るネガティブ思考の私はレイジの話を信じられないでいる。

「信じられないのならば、私が信じさせてご覧にいれましょう」


貴女の中に芽生えた命(こども)も一緒に。


何故だろう、何か温かいものが私の頬を伝った。

「!? どうしたというのです? 何処か痛むのですか?」

ああ、そんな心配そうな顔をして。レイジは私をちゃんと見てくれている。その事実が、私のずいぶん前に枯れた涙を甦らせた。

「違う、……嬉しいの。嬉しいからこんなに……」

声が震える。私は初めて嬉し涙を流した。


「やっと本当の貴女に……ユリアに出会えました」

レイジは屈んで私を抱き締めてそう言った。そうだね、初めまして。レイジ。

「初めまして、ユリア」

私は貴女の夫です。





(さて、それでは名前を決めてしまいましょうか)

(……女の子なら、レイカ。男の子なら、レイが良い)

(おや、それは良い名前ですね)








@@後書き@@
・一番まとも(オカン)なレイジならこんな結末でも良いのではないかと思ったので明るめにしました。
・ネガティブ思考の夢主が少しポジティブに。
・感覚も感情もレイジが治してればいい。
・書いてて思ったのは、「長男が好きなのにレイジに浮気しそう」でした。


・七海様、DIABOLIK LOVERS×刀剣乱舞のお話を書けずに申し訳ありません。とうらぶを少しかじった程度で世界観やキャラクターを全て把握している訳ではないので(^^;)。よく知っていてもじじいくらいです。

本当に申し訳ありません。



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